研究課題/領域番号 |
14310060
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
針塚 進 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (50113973)
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研究分担者 |
遠矢 浩一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (50242467)
神尾 陽子 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (00252445)
田嶌 誠一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (70163459)
田中 真理 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (70274412)
宮田 敬一 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (60115079)
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キーワード | 特別支援教育 / LD児、ADHD児、高機能自閉症児 / 教員コーディネイター / 心理劇(ロールプレイング) / 動作法 / スクールカウンセラー / 個別指導プログラム / 集団指導プログラム |
研究概要 |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 (1)「福岡県教育委員会」及び「福岡県宗像市教育委員会」と連携をし,通常学級に通うLD児、ADHD児、高機能自閉症児などの巡回相談や個別指導の実践を行い、保護者及び担任教員に対する相談支援を実施した。同時にネットワーク作りの基本的要素を明らかにした。すなわち特殊学校、医療保健機関及び大学等の専門機関等との具体的連携の事例によって明らかになってきたことは、(1)特殊学校の教員の役割の明確化、(2)医療保健機関と学校との連携のあり方、(3)当該学校における教員コーディネィターの問題である。特にコーデイネイターの役割と資質を明確にし、コーディネイター養成が課題となる。 (2)「九州大学・発達臨床心理センター」では、個別指導プログラムと集団指導プログラムとを14年度に引き続き実施した。個別指導プログラム(動作法またはプレイセラピー)では、個別指導者との遊ぴや課題での良好な関係形成ができるという状態の子どもが、子ども同士の集団プログラムにおける対人関係の取り方に困難性を示すという特徴は今年度も同様に認められた。そのため、特定の対人関係場面における他者の立場や気持ちの理解や他者の視点に立った場面の理解についての指導が不可欠であることが一層明確化したので、集団での心理劇(ロールプレイング)を取り入れたプログラムのあり方の検討を16年度も継続的に実施することとした。 (3)LD児、ADHD児及び高機能自閉症児の面接調査と質問紙による調査を継続的に行った。その結果、子どもは、クラスの仲間から避けられていること、言葉でのいじめや嫌がらせ、時には暴力によるいじめも受けていることが認められたことは昨年度と同様であった。それに伴い、他者に対しての警戒感が強く、自信を失っている。その半面衝動的ととも思える攻撃的な言動を呈することがある事例が認められた。このことは来年度も詳細に検討する必要がある。 (4)スクールカウンセラーが、通常学級にいる特別支援を要する児童生徒学校生活場面での適応や教員への助言のあり方の検討を行った。その結果教員へは単発的な相談ではなく、継続的な相談が重要であることが分った。また、学校における教員コーディネイターとどのような役割分担と協労関係を持つかが問題となり、このことについての検討は来年度行うこととなった。
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