• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

発達早期における視線および表情理解の発達と障害:社会的参照行動の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 14310061
研究機関京都大学

研究代表者

遠藤 利彦  京都大学, 教育学研究科, 助教授 (90242106)

研究分担者 板倉 昭二  京都大学, 文学研究科, 助教授 (50211735)
橋彌 和秀  九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (20324593)
小沢 哲史  岐阜聖徳学園大学, 短期大学部, 講師 (50369526)
キーワード乳幼児期 / 初期コミュニケーション / 三項関係場面 / 視線理解 / 主観的状態の読み取り / 養育者による注意操作 / 共同注意
研究概要

本研究の目的は、発達早期における子どもの原初的コミュニケーション行動および心的理解成立のプロセスとメカニズムを、他者の視線と表情の理解を前提とする社会的参照行動に着目して、精細に解明することである。特に、本研究では、この社会的参照を子ども個人に閉じた個体内現象とは見なさず、養育者とのやりとりの中で生起する個人間現象あるいは関係的現象と見なし、その成立や高次化に絡む養育者の役割をも明らかにしたいと考えた。より具体的には、小沢・遠藤(2001)の理論モデルに従い、社会的参照行動が巻き込まれ型(子どもが一方的に養育者の情動に巻き込まれて対象に対する行動を変える)から相互交渉型(子どもの情報探索行動とその子どもの注視点に配慮し適切な情報付与を行おうと意図する養育者の働きかけとの相互交渉の結果成り立つ)を経て、最終的に自律型(子どもが養育者の表情をいわば「盗み見て」それを自己の行動調整に活かす)へと至るという発達プロセスの検証を行うこととした。最終年度に当たる今年度は、これまでの主に家庭での母子観察に基づく縦断的な研究成果を総括し、この理論モデルが概ね妥当であるとの結論を得た。発達早期における養育者の子どもの主観的状態の読み取りおよび心的帰属傾向の高さは、三項関係場面での、子どもの注意操作の仕方を左右し、結果的に子どもの視線理解(共同注意や社会的参照)の発達に影響を及ぼす可能性が示唆されたと言える。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 感情に潜む知られざる機能とは2005

    • 著者名/発表者名
      遠藤 利彦
    • 雑誌名

      科学 75(6)

      ページ: 700-706

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 感情的知性をどう育むか2005

    • 著者名/発表者名
      遠藤 利彦
    • 雑誌名

      教育と医学 53(11)

      ページ: 18-27

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 顔認知と性格5因子の関連2005

    • 著者名/発表者名
      齊藤崇子, 中村知靖, 遠藤利彦
    • 雑誌名

      心理学研究 75(6)

      ページ: 517-522

  • [図書] 読む目・読まれる目:視線理解の進化と発達の心理学2005

    • 著者名/発表者名
      遠藤利彦, 板倉昭二, 橋彌和秀, 小沢哲史
    • 総ページ数
      234
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] 発達心理学の新しいかたち2005

    • 著者名/発表者名
      遠藤 利彦, 板倉 昭二
    • 総ページ数
      302
    • 出版者
      誠信書房
  • [図書] アタッチメント:生涯にわたる絆2005

    • 著者名/発表者名
      数井みゆき, 遠藤利彦
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] 発達心理学から見る共視現象 「共視論」(北山修(編))2005

    • 著者名/発表者名
      遠藤 利彦
    • 総ページ数
      123-161
    • 出版者
      講談社(所収)

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi