研究課題
基盤研究(B)
従来の研究の結果、高齢ドライバーの問題行動として、1)見通しの悪い交差点や一時停止交差点で一時停止しない(あるいは徐行が不充分である)傾向、2)交差道路の死角からの接近車を発見するための左右確認が不充分である傾向が示された。また、加齢に伴い、ハザード知覚能力の低下も明らかとなった。高齢者の起こす交差点事故の多さの背景に、こうした不安全行動が影響していると推測された。本研究では、こうした高齢ドライバーの問題行動を改善する教育プログラムを開発した。第一に、交差点での高齢ドライバーの一時停止と左右確認行動を改善させることを目的としたプログラムを提案した。本プログラムでの教育手法として参加型の教育手法を取り入れ、とりわけ「フィードバック手法」を採用した。実際に教習車で、教習所の所定のコースを走行させ、ビデオで問題行動を記録し(運転診断)、それを高齢者(教育対象者)に提示して問題点を理解させ、話し合いをさせた(ビデオでの行動チェックとフィードバック)。特長としては、1)教習所指導員が運転診断を行い、個人対応の参加型教育であること、2)自ら気づく、気づかせる手法であること、3)ビデオを活用したフィードバック、等であった。効果測定研究の結果、一定の効果が見られたので、教習所で活用できる教育プログラムとして提案した。第二に、ハザード知覚教育プログラムを教習所で実施し、「潜在的ハザード」への教育効果が見られた。本プログラムでは、ビデオ映像を用いて、指導員のフィードバックとお互いのディスカッションにより、運転場面でのハザードを理解し、的確に予測することで高齢者のハザード知覚能力を改善させることを目的とした。ディスカッション用の刺激場面を充実させ、フィードバックの手法についても検討を行い、教育プログラムを提案した。
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Traffic and Transport Psychology (Underwood,G (Eds.)) (in print)
応用心理学研究 30巻
ページ: 1-9
Japanese Journal of Applied Psychology Vol.30, No.1
応用心理学研究 29巻
ページ: 1-16
Japanese Journal of Applied Psychology Vol.29, No.1