研究課題
基盤研究(B)
○現代日本における公共性の実践という問題を、social capitalという社会学の新しい概念の中に位置づけ、広義のコミュニティの課題と解決のあり方として明らかにすることを目的として、着実に研究を進めた。2002年度からの東京都世田谷区調査をふまえ、2004年度は東京都江戸川区、練馬区、目黒区、八王子市、調布市の事例を参考として、調査を進めた。○コミュニティ形成の実証研究:2003年度世田谷調査の取りまとめ世田谷区における地域福祉の現状と課題について2003年度に実施した研究成果の取りまとめを行い、『ネットワークと地域福祉』という報告書を刊行した。内容としては、「地域社会」を様々な次元での人々の具体的なネットワークとして読み解きながら、「まちづくり」「プレーパーク」「子育て支援」などの諸課題について、諸団体・行政への聞き取りを精力的に行い、現状と課題を整理し、これからの地域のあり方について提言を行った。○コミュニティ形成の実証研究:2004年度地域調査の実施第一に、地域における施設ケアと在宅ケアとの中間形態として近年注目されている「グループホーム」に焦点をあて、新たな調査を企画し、実施した。内容としては、高齢者・障害者・子どもの領域別に、文献調査とグループホームの実態調査を精力的に行い、グループホームが注目されるようになった社会的背景、現場での課題認識、行政の課題などをインタビュー法によって調査を行い、多様な現場の実態を実証的に調査した。第二に、コミュニティ全体で孤立した母親の子育てをいかに支援するかという課題について、東京都世田谷区の社会福祉協議会が実施している「子育てサロン」を事例に、新たな調査を実施した。内容としては、「子育てサロン」の代表者と参加者に対して質問紙法により、支援する側・される側の認識の共通性・差異や今後の支援策の課題について実証的に調査を行った。
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(Department of Social Relations, Graduate School/College of Arts and Sciences, The University of Tokyo)
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