研究課題/領域番号 |
14310081
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松岡 広路 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (10283847)
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研究分担者 |
太田 和宏 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (00273748)
津田 英二 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (30314454)
原田 正樹 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (40287793)
横須賀 俊司 広島女子大学, 生活科学部, 助教授 (60304193)
中嶋 佐恵子 姫路獨協大学, 外国語学部, 専任講師 (00299124)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | エンパワーメント / ライフヒストリー / 持続可能な開発 / 障害者運動 / 労働者のキャリア教育 / 社会福祉援助 / 知的障害者の生活自立運動 / エイジズム |
研究概要 |
女性、発展途上国、身体障害者、知的障害者、地域福祉、労働者それぞれの観点から、エンパワーメントの過程と方策を検討した。どの領域においても、心理・社会・政治各側面における過程と方策が注目され、どの側面を欠いても充分な実践とならない点が指摘された。また、個人の発達と社会の変容とのスパイラルな関係も注目された。エンパワーメントの過程は、単線的な段階では示すことができず、無理に段階論によって説明しようとすることの弊害についても理解された。 同時に、それぞれの領域におけるエンパワーメントの特殊性にも注目した。特にエンパワーメントを支援する人とエンパワーメントする人との関係に、情況に応じた差異が生じる。女性や労働者の領域では、同じ立場にある人の間で支援-被支援の関係が生じることがスタンダードだと言えるが、身体障害者や発展途上国のエンパワーメントは、健常者や先進国による支援の問題性が盛んに問われてきている。知的障害者のエンパワーメントでは、健常者による支援を前提にしてその権力性・権威性の克服を問題にしている過程にある。 エンパワーメントの過程においては、当事者性の位置づけが重要な論点となることが明確となった。特に、エンパワーメントを支援する人とエンパワーメントする人との関係を前提にする多くの実践において、実践が当事者を客体化し操作の対象とすることによるパラドックスに陥らないためにも、当事者性をイッシューとして把捉する必要がある。 序 エンパワーメント概念の偏差(松岡) 1.市民活動家のライフヒストリーにみる女性のエンパワーメント(井上) 2.途上国貧困層のエンパワーメント(太田) 3.障害者運動から見るソーシャルワーカー(横須賀) 4.イタリアの「人民の家」(中嶋) 5.福祉コミュニティの考え方と当事者性(原田) 6.知的障害者のエンパワーメント実践に見る当事者性(津田)
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