研究課題/領域番号 |
14310089
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
野口 道彦 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 教授 (00116170)
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研究分担者 |
三宅 博之 北九州市立大学, 法学部, 教授 (60211596)
佐藤 彰男 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (70249514)
脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30230931)
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キーワード | バングラデシュ / 清掃労働者 / カースト / 社会階層 / ヒンズー / モスリム / 差別 / エスニック |
研究概要 |
国内において研究会を7回(第10回〜第17回)行った。2月下旬から3月上旬にかけて、チッタゴンにおいて現地調査を行った。今回新たに、市に雇用されない清掃労働者の地区が存在することを発見した。ヒンズー寺院の門前街の一角にあるベンガル・ヒンズーの集落であり、トイレの清掃に従事している。この地区の住民は、これまで調査してきた市雇用の清掃労働者地区とはまったく交流がない。 チッタゴン郊外にある公設のゴミ投棄場の隣接地に民営のペットボトルの破砕工場ができており、女性たちへの就労の場を提供している。またその隣接地には、市に臨時雇用されている清掃労働者を主体とするスコッターが新たに形成されており、廃棄物から再利用可能な資源の収集・販売が副業的に営まれている。一口に清掃労働者といっても、雇用形態、居住形態、副業形態において多様なありかたが存在することがわかり、より広い視野で清掃労働をめぐる社会関係のあり方を分析する手がかりが得られた。 また、研究の成果を現地に還元するためにチッタゴンにおいて"Toward Creative Cities : Environmental Issues in Urban Japan and Bangladesh"をテーマにセミナーを開き、研究分担者全員が報告した。これには、社会学者、ジャーナリスト、市長をはじめとする市行政幹部職員、NGO指導者、清掃労働者の代表など90人を超える参加者があり、新聞報道においても高い評価を得ることができた。
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