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2003 年度 実績報告書

ステイクホルダー理論による公私協働モデルの実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14310093
研究機関北星学園大学

研究代表者

杉岡 直人  北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (10113573)

研究分担者 森本 佳樹  立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (50271458)
キーワードステイクホルダー / 公私協働 / パートナーシップ / 非営利組織 / 政策評価 / エンパワメント / 公共性
研究概要

1.現地調査の結果をまとめると、現状の公私協働の展開は、きわめて無原則的に取り組まれており、とくに行政職員にとまどいを与えながら、行政だけが公共をになってきた時代から市民自身による公共の実践や市民と行政の協働としての公共へシフトするという合理的、歴史的過程において、検証を必要としながらも後戻りはできない現実を迎えている。
2.ステイクホルダー理論からみた公私協働モデルは、行政と市民のパートナーシップを基調とする自治体経営のなかで、新たな公共を創造するものとして実践されているが、行政の相手となる市民は多様であり、代表性も担保されているわけではない。多くはNPOや市民活動として登場しているものをパートナーとしている。これはコミュニティを守る自覚を有する市民のエンパワメントが行政にとっての課題となる以上、ある程度は避けられない問題である。しかし、行政について市民=パートナーを具体的に特定化しようとしても取り上げるテーマが多様である以上、特定セクションのスタッフに裁量がゆだねられる。そこに議会の位置づけがあいまいになり、議会制度の逆機能がパートナーシップを生み出す一方で、したがって、パートナーシップの形成と展開および実施に対するモニタリングが不可欠のプロセスとなる。
3.海外調査の結果(フィンランド)をみると行政は専門職としての市長(マネジャー)が議会によって招かれ、実務上の成果をあげることを求められている。議会メンバーも報酬を受けとる要素が少ないボランティアとしての性格が強いために、相互にチェック機能が働く構造となっている。この点からみると日本の公私協働モデルは、議会機能の形骸化と行政の硬直化を克服する妥協の産物といえる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 杉岡直人: "地域通貨の流通実験からみる地域福祉の公共性"地域社会学年報. 15集. 20-43 (2003)

  • [文献書誌] 杉岡直人: "地域福祉推進と自治体行政の新たな役割"地域福祉研究. 31号. 19-23 (2003)

  • [文献書誌] 杉岡直人: "福祉NPOは安くて質の高いサービスを提供できるか"教育と医学. 51巻7号. 31-37 (2003)

  • [文献書誌] 杉岡直人: "保険者=自治体の自前主義と介護保険サービス"フロンティア180. 46号. 20-21 (2003)

  • [文献書誌] 杉岡直人: "高齢者パワーを発揮させる環境づくり"農家の友. 55巻10号. 106-108 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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