研究課題/領域番号 |
14310095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大浦 宏邦 帝京大学, 経済学部, 助教授 (60297116)
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研究分担者 |
海野 道郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90016676)
金井 雅之 山形大学, 教育学部, 助教授 (60333944)
藤山 英樹 獨協大学, 経済学部, 助教授 (80327014)
数土 直紀 学習院大学, 法学部, 教授 (60262680)
七條 達弘 大阪府立大学, 経済学部, 助教授 (40305660)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 秩序問題 / 社会的ジレンマ / フリーライダー / 進化ゲーム理論 / 選択的相互作用 / 転職行動 |
研究概要 |
秩序問題の中核には社会的ジレンマ問題が存在するが、社会的ジレンマの回避は一般に二人ジレンマの回避よりも困難である。本研究プロジェクトでは、Orbel & Dawes(1991)の選択的相互作用の考え方を拡張して、集団間の選択的な移動によって協力行動が利得のレベルで得になる可能性を検討した。 まず、数理モデルとシュミレーションによる研究では、協力型のシェアが大きければ選択的移動が得になる可能性があることが明らかになった。次に所属集団が変更可能な社会的ジレンマ実験を行った結果、協力的な人は非協力者を逃れて移動する傾向があること、非協力的な人は協力者がいるうちは移動しないが、協力者がいなくなると移動することが明らかとなった。この結果は、特に協力的なプレーヤーが選択的な移動をする傾向を持つことを示している。 実験室実験の結果を現実社会における集団変更行動と比較するために、職場における働き方と転職をテーマとした社会調査を実施した。その結果、協力傾向と転職行動、転職意向には相関関係が見られた。これは、実験結果の知見と整合的だが、因果関係が存在するかどうかについては確認できなかった。 方法論については、基本的に進化ゲームやマルチエージェント分析は社会学的に有意義であると考えられる。ただし、今回主に検討したN人囚人のジレンマゲームは社会的ジレンマの定式化としては狭すぎるので、社会的ジレンマはN人チキンゲームなどを含めた広い意味の協力状況として定義した方がよいと考えられた。広義の協力状況一般における選択的移動の研究は今後の課題である。
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