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2004 年度 実績報告書

社会経済的因子による「健康における不平等」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14310105
研究機関日本福祉大学

研究代表者

近藤 克則  日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20298558)

研究分担者 馬場 康彦  明星大学, 人文学部, 教授 (90278317)
松田 亮三  立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (20260812)
遠藤 秀紀  日本福祉大学, 経済学部, 講師 (10340283)
吉井 清子  日本福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (40340278)
末盛 慶  日本福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (70387744)
キーワード社会経済的因子 / 健康の不平等 / 社会階層 / 貧困 / 社会疫学 / 介護予防 / コホート研究
研究概要

主に4つの研究を行った.
(1)「公衆衛生」誌の連載を中心に,文献レビューの成果を報告した.健康の不平等が世界的に関心を集めていること,社会経済的因子から健康への作用経路として,心理学的因子を経て,神経・内分泌・免疫学的に影響していること,個人の社会経済階層に加え所得格差など社会の特性も影響していること,などが示唆されている.一方,日本では実証研究が遅れていることなどを紹介した.
(2)(財)家計経済研究所「消費生活に関するパネル調査」データを用い,従来報告の少ない25-40歳の女性においても,主観的健康感や精神的な健康指標に,学歴や就労状況など社会経済的な因子による健康の不平等が見られること,その機序として離婚などの結婚歴が関与していることなどを明らかにした.
(3)ある町の要介護認定を受けていない全高齢者約2700人を対象に,2年間追跡したデータを分析した.その結果,種々の社会経済的な因子が健康寿命喪失の危険因子であること,その機序として社会経済的な地位による保健行動の差のみでは説明がつかないこと,ソーシャルサポートの欠如でなくサポートを提供しないことやサポート授受のバランスを欠くことが危険因子である可能性などを報告した.
(4)3.2万人の要介護認定を受けていない高齢者の横断データを分析し,2005年1月から12回にわたり連載中である.うつや主観的健康感を目的変数にした場合,これらが所得や教育歴と関連していること,農村と都市間の差や性差が少なからずあることを報告した.さらに,従来報告の(少)なかった歯科・口腔状態や転倒歴などの健康指標にすら,社会経済的因子による健康の不平等があることを明らかにしつつある.
以上,我が国にも社会経済的因子による健康の不平等が広範に観察されること,その影響経路の一部について明らかにし,論文や国際・国内学会で報告した.

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (15件)

  • [雑誌論文] 女性の労働と主観的健康感-就業形態・状況別分析2005

    • 著者名/発表者名
      馬場康彦, 近藤克則
    • 雑誌名

      季刊家計経済研究 65

      ページ: 51-59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 日本の高齢者-介護予防に向けた社会疫学的大規模調査2 高齢者の心身健康の社会経済格差と地域格差の実態2005

    • 著者名/発表者名
      吉井清子, 近藤克則, 平井寛, 松田亮三, 齋藤嘉孝, 「健康の不平等」研究会
    • 雑誌名

      公衆衛生 69-2

      ページ: 145-148

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 特別記事座談会 日本における「社会疫学」の到達点と課題2005

    • 著者名/発表者名
      近藤克則, 西 信雄, Ichiro Kawachi, 橋本英樹
    • 雑誌名

      公衆衛生 69-3

      ページ: 209-215

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 日本の高齢者-介護予防に向けた社会疫学的大規模調査1 調査目的と調査対象者・地域の特徴2005

    • 著者名/発表者名
      近藤克則, 平井寛, 吉井清子, 末盛慶, 齋藤嘉孝, 「健康の不平等」研究会
    • 雑誌名

      公衆衛生 69-1

      ページ: 69-72

  • [雑誌論文] 日本の高齢者-介護予防に向けた社会疫学的大規模調査3 高齢者の保健行動と転倒歴-社会経済的地位との相関2005

    • 著者名/発表者名
      松田亮三, 平井寛, 近藤克則, 齋藤嘉孝, 「健康の不平等」研究会
    • 雑誌名

      公衆衛生 69-3

      ページ: 231-235

  • [雑誌論文] 社会的ネットワークと主観的健康感-縦断分析による検討2004

    • 著者名/発表者名
      馬場康彦, 近藤克則
    • 雑誌名

      季刊家計経済研究 62

      ページ: 59-67

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・4 なぜ社会経済的因子が健康に影響するのか2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-4

      ページ: 306-310

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・5 抑うつ-社会と身体的健康をつなぐもの(1)2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-5

      ページ: 387-391

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・6 主観的・心理的因子・認知-社会と身体的健康をつなぐもの(2)2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-6

      ページ: 477-482

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・7 生き抜く力-社会と身体的健康をつなぐもの(3)2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-7

      ページ: 562-568

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・8 社会のありようと健康(1)-相対所得仮説2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-8

      ページ: 638-643

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・9 社会のありようと健康(2)-ソーシャル・キャピタル2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-9

      ページ: 721-727

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・10 社会のありようと健康(3)-介入すべきは個人か社会か2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-10

      ページ: 815-820

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・11 社会疫学の課題(1)基礎科学としての社会疫学2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-11

      ページ: 893-897

  • [雑誌論文] New Public Healthのパラダイム-社会疫学への誘い・12 社会疫学の課題(2)社会のための科学・21世紀のための科学2004

    • 著者名/発表者名
      近藤克則
    • 雑誌名

      公衆衛生 68-12

      ページ: 981-986

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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