研究課題/領域番号 |
14310127
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松田 武雄 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (90175604)
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研究分担者 |
上野 景三 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (30193824)
小林 平造 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (40170352)
末本 誠 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80162840)
中村 誠司 名桜大学, 国際文化学部, 教授 (30279426)
内田 和浩 北海道大学, 生涯学習教育研究センター, 助教授 (60279445)
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キーワード | 地域社会教育 / 字(集落)公民館 / 自治 / 生涯学習 / 沖縄 / 青年会 / 字誌 / 芸能 |
研究概要 |
1.研究代表者及び研究分担者がそれぞれの担当分野に基づいて、次のような調査研究を行った。(1)金武町並里公民館において伝統芸能を青年会が継承する活動についてフィールドワークとヒアリングを行い、考察した。(2)読谷村をはじめとする沖縄各地の代表的な字公民館の規則を調査し、その歴史的な特徴を明らかにした。(3)字公民館、特に読谷村における地域福祉活動について調査研究した。(4)字誌における戦争記録の意味について調査考察した。(4)浦添市内間における都市的な青年会活動についてヒアリング調査を行い、特に青年会の創始者のラィフ・ヒストリーに焦点を当てて、調査研究を行った。(5)伊江島における集落の活動と平和学習についてヒアリングを行い考察した。 2.沖縄県下のすべての字公民館、約1000館の基本データについて、全市町村の教育委員会に依頼して調査を行った。回収率を高めるために何度か催促の依頼を行ったが、10町村ほどは調査不可能の回答があり、取りあえず回収できた市町村の字公民館に関する基本資料を作成した。沖縄県庁や各市町村の行政もこれまで把握していなかったデータを初めて収集し、整理して一覧表にできたことは極めて大きな成果であると思う。 3.現在沖縄では、字(集落)の歴史である字誌づくりが、それぞれの字公民館において取り組まれつつあり、その字誌を集めて目録づくりを行った。現時点で637冊を収集し、字誌目録一覧として作成した。この目録も、今までどこの機関も把握していなかった基本データであり、今回一覧表にできたことは、今後、他の研究者や関係者にとっても大きなメリットになることと思う。 4.フランスにおいても,沖縄の字誌と似た生活史づくりの実践が取り組まれている。沖縄の場合は共同体の歴史であり、フランスの場合は個人あるいは家族の歴史であるという点が異なるが、いずれも聞き取りによる生活の歴史を綴るという点で共通している。そこで、11月3日に沖縄県那覇市において、フランスの3人の研究者が来沖した機会に、研究交流のためのシンポジウムを開催した。その成果については記録しまとめた。
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