研究課題/領域番号 |
14310130
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
堀内 達夫 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40135273)
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研究分担者 |
横尾 恒隆 岩手大学, 教育学部, 助教授 (30220544)
伊藤 一雄 高野山大学, 文学部, 教授 (00319930)
佐々木 英一 追手門学院大学, 人間学部, 教授 (30125471)
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (80324375)
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キーワード | 技術・職業教育 / カリキュラム / 日本:フランス:アメリカ:ドイツ |
研究概要 |
今年度の研究では、技術・職業教育の国際類型に従って、学校タイプのフランス(9月)及びアメリカ(3月)について現地調査を行った。さらに、日本の職業教育に関して、新年度に向けたカリキュラム編成について、高校の教師を研究会議に招いて、その実情をつぶさに知ることができた。 まず、フランス調査では、パリ近郊及びリヨンにある専門リセを訪問して、就業体験など地域や産業との連携を進めるとともに、新たに総合学習を含んだカリキュラムの改革の実情を把握できた。全国的なカリキュラム基準の上に、市民性の形成や資格社会への柔軟で協同的な対応という課題を訪問各校のカリキュラムに読み取ることができた。つぎに、アメリカ調査では、カリフォルニア州にある総合制ハイスクール、技術ハイスクール等を訪問して、そのカリキュラム開発の動向と実態を把握できた。その特徴として、学校教育の小規模化、すなわち学校内学校としてのキャリアアカデミーの設置、そしてアカデミクス(普通教科)と職業教育を統合することによる勉学意欲の向上、就業体験や進学を通じたキャリア観の形成などが挙げられ、これら活動が、学校の教師と大学、地域との協力によって行われている。他方、専門的な地域職業学校でも、地域の要請に基づいてアカデミックな基準や中等後教育への接続を重視したカリキュラム開発が行われている。 最後に、日本の高校におけるカリキュラム編成では、大阪市及び京都市の高校を取り上げて、工業科、商業科、総合学科に関する事例研究を行なった。新学習指導要領によるカリキュラム削減、そして総合的な学習の時間、新教科(福祉科)、学校設定教科・科目、就業体験の導入、さらに資格・検定試験への対応など、各校各学科の特色に応じて多様な取り組みが行なわれている。欧米の個性化教育と日本の特色ある学校づくりが対照的である。
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