研究課題/領域番号 |
14310143
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研究機関 | 独立行政法人国立特殊教育総合研究所 |
研究代表者 |
大内 進 独立行政法人 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究室長 (40321591)
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研究分担者 |
渡辺 哲也 独立行政法人 国立特殊教育総合研究所, 情報障害教育研究部, 研究員 (10342958)
棟方 哲弥 独立行政法人 国立特殊教育総合研究所, 情報教育研究部, 研究室長 (70229938)
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キーワード | 触る絵 / 視覚障害教育 / ハプティック知覚 / 3次元造形 |
研究概要 |
(研究の概要) 視覚を活用できない全盲児童に対する美術教育においては、絵画の指導は従前から大きな課題となっている。近年になって、凸図表示装置の開発等により、絵画を楽しむことのできる全盲生徒もでてきている。本研究では、イタリアで開発された平面的な絵画を半立体的に翻案した「触る絵」について検証し、触る絵の作製の原則を明らかにするとともに、全盲生徒への絵画鑑賞指導法について検討する。 本年度は、1)平面絵画立体への翻案にあたって、イタリアで開発された「触る絵」について、原画からの半立体的翻案への基本的な方針の分析・整理。2)絵画の翻案作品を視覚障害児童生徒に指導するための方法を確立するために、イタリアで実施されている指導法についての調査。3)「触る絵」をコンピュータを活用して作製するシステムを開発するために3次元情報のデータ化とそれに基づいて3次元の事物を造形するための技術・方法についての基礎的な研究を行った。 その結果、1)半立体的翻案にあたっての技法が明らかになった。2)、学芸員を招聘しイタリアで実施されている指導法について研修した。「触る絵」が全盲者に鑑賞可能である事を確認できた。3)「触る絵」をコンピュータを活用して作製するシステムを開発するために、3次元形状測定装置および3次元光造形装置に関する資料収集とシステム構築のための基礎的なデータを収集する事ができた。 初年度において、イタリアにおける「触る絵」の製作と指導法の概略が調査でき、また、情報処理技術を用いた「触る絵」の造形についての基礎資料も得る事ができた。次年度は基本的な指導法を整理し、実際の指導を試みるとともに、「3次元造形システム」を構築し、作品を試作することが課題である。
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