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2002 年度 実績報告書

日本植民地支配と東アジア―女性史・ジェンダー史の比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14310155
研究機関横浜国立大学

研究代表者

加藤 千香子  横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (40202014)

研究分担者 平子 玲子(広瀬)  北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (60216596)
江上 幸子  フェリス女学院大学, 国際交流学部, 教授 (90277955)
GROVE Linda  上智大学, 比較文化学部, 教授 (20296891)
李 けい娘  中央大学, 総合政策学部, 助教授 (20328032)
沈 潔  高知女子大学, 社会福祉学部, 教授 (20305808)
キーワード国民国家 / 女性像 / 良妻賢母 / 植民地 / 新女性 / 東アジア
研究概要

今年度、本研究が掲げたテーマは、「国民国家形成過程の東アジアにおける女性像の形成」である。明治維新を端緒とし、19世紀末以降の東アジア各国において急激に進められる国民国家形成過程の諸問題に関しては、近年の歴史学の成果によって新たな側面が明らかにされつつある。本研究では、そうした研究を視野に入れながら、国民国家形成過程と不可分に進行する女性をめぐる規範や理想とされる像の変容に焦点をあてることとし、「女性像の形成」という課題を設定、この共通テーマのもとで研究分担者・研究協力者が、日本、中国、朝鮮及び「満洲国」といった東アジアの対象地域をそれぞれの分担に即して研究を進めている。日本に関しては、日清戦後の1900年前後の時期、ナショナリズムの高まりや家族制度の確立と軌を一にして形成される「良妻賢母」思想について、従来の先行研究の整理や文献の解読を通じて検討を加えた。中国に関しては、20世紀中華民国成立後における「賢母良妻」思想及びそれへの批判として1920年代都市部で登場する「新女性」の問題が検討された。その他、日本植民地統治下における朝鮮や台湾での「良妻賢母」思想の浸透や、植民地統治が女性像をどのように変容させたかについての検討を行った。これらの検討を通じて得られた知見として最も重要な点は、当該期に作られた東アジア諸地域の女性像には共通性や関連性があるという点である。確かに従来の社会学分野の研究でも「良妻賢母」思想が東アジア共通のものであることは指摘されているが、ただしそこでは日本からアジアへのルートが一方的に強調されるにすぎない。本研究では、支配の要因のみならず在来・土着慣行や規範が重要な要因であるとともに、東アジア地域間ではさまざまなベクトルがあり、相互関連性を見ることができるという点を明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 早川紀代: "女性の対抗するアイデンティティ-帝国日本と傀儡国家満州国-"ジェンダー研究. 5号. 2-11 (2002)

  • [文献書誌] 江上幸子: "書評:白水紀子著 中国女性の20世紀"野草. 70号. 88-93 (2002)

  • [文献書誌] 江上幸子(共著): "ペンをとる女性たち"翰林書房. 266 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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