研究課題/領域番号 |
14310157
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
武田 佐知子 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (00181412)
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研究分担者 |
脇田 修 財団法人大阪市文化財協会, 理事長・大阪歴史博物館, 館長(研究職) (50027968)
脇田 晴子 城西国際大学, 大学院・人文科学研究科, 教授 (80088012)
高島 幸次 夙川学院短期大学, 教授 (00331786)
松浦 清 大阪工業大学, 知的財産学部, 助教授 (70192333)
竹居 明男 同志社大学, 文学部, 教授 (80131291)
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キーワード | 天神信仰 / 菅原道真 / 太子信仰 / 聖徳太子 / 国民教育 / 文化政策 / 周縁 / ジェンダー |
研究概要 |
平成16年度は、4回の研究会を開催し、それぞれの報告者により天神信仰、太子信仰の変遷について研究報告が行われた。7月17日には第八回研究会を開催し、上川通夫氏(愛知県立大学日本文化学科教授)から「河音能平『天神信仰の成立』をめぐって」、高島幸次氏(研究分担者)から「天神伝説のなかの梅と西と石榴と」と題して報告が行われた。また10月27日〜28日の日程で松浦清(研究分担者)が山口県防府天満宮の調査を行い、同宮所蔵の天神画像三点(伝三季天神3幅)を実査のうえ、写真撮影を行った。三季天神像は大阪天満宮所蔵の天神画像1点と同じ図像的特徴を持ち、今回の調査はその関連性を研究するとともに、天神画像の図像の多様性と信仰背景を文献の上で確認するための調査であり、第九回研究会にてその詳細が報告された。11月19日〜23日の日程で隠岐の天満宮及びその関連寺社を巡見した。当該地域は、海上交通路の中間地点として客人神を祀る神社が多く存在する地域であるが、その中に点在する天神社が在地の宗教とどのように習合され、土地に伝播しているのかを調査した。21日には第九回研究会を開催し、松浦清氏からは防府天満宮所蔵「三季天神像」の調査報告が、榊原小葉子氏(日本学術振興会特別研究員)からは『聖徳太子伝暦』にみえる中国観を、中国仏教・天台宗の影響下における太子信仰の変遷と絡めた報告が行われた。12月25日には第十回研究会を開催し、松本真輔氏(韓国慶熙大学外国語学部日本語科助教授)からは聖徳太子伝注釈における法隆寺の伏蔵伝承について、永原順子氏(大阪天満宮文化研究所研究員)から近世における天満宮人形についての報告が、2月27日の第十一回研究会では、稲城正己氏(仏教大学講師)から菅原道真の詩文と仏教について、中林隆之氏(大阪市立大学都市文化研究所COE研究員)からは皇后藤原光明子と太子信仰についての報告が行われた。 以上の研究会、巡見により、中世、近世を通じての太子信仰と天神信仰の変遷を研究した。太子信仰においては、中国仏教・天台宗の影響下における太子信仰の変遷について、天神信仰においては、天神像の図像調査からその伝播について,分析、考察を行った。
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