研究課題/領域番号 |
14310158
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木 正幸 神戸大学, 文学部, 教授(理事) (80107987)
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研究分担者 |
高橋 昌明 神戸大学, 文学部, 教授 (30106760)
藤田 裕嗣 神戸大学, 文学部, 教授 (10181364)
奥村 弘 神戸大学, 文学部, 助教授 (60185551)
市澤 哲 神戸大学, 文学部, 助教授 (30251862)
藤田 明良 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (50309514)
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キーワード | 国家的港湾都市 / 兵庫津 / 地域史 / 摂津 / 被災史料 / 震災資料 / 歴史資料の保全と活用 / 尼崎藩 |
研究概要 |
本年度は、昨年度までの成果の総括を行うための準備期間にあてた。 具体的には、(1)西摂をめぐる港湾都市域の支配のありようを国家論の視角からさらに深めること、(2)阪神・淡路大震災の被災地域に残された歴史資料の調査を進め、データベース化をふくめた公開・活用法を提起していくこと、(3)地域社会の歴史像を再構成する方法論をさらに検討することを主な目標とした。 これに対し、(1)古代以来継続する国家的港湾都市域としての西摂地域を中心として瀬戸内海にひろがるネットワークの諸相を明らかにした。古代史ではミヤケ・津との関連を中心に、中世史では淡河地域に着目するなど港湾後背地に注目し、近世・近代史では兵庫津から神戸港へのミナト機能の継承と、近隣農村・居留地との関係について検討を行った。 (2)について、阪神・淡路大震災での被災史料調査も継続して行われ、神戸市域における新たな史料群も発見された。また、芦屋地域において被災史料を活用した講演会も行うことができた。被災史料から新たに得られた知見を地域住民にも還元し、地域社会に遺された史料の公開と活用のあり方についてのモデルケースをも提示した。さらには、阪神・淡路大震災そのものの記録化に関するシンポジウムを開催し、震災で大量に発生した記録の保全方法や、記憶の継承の仕方、震災史料の活用のあり方などについての現状と課題について総括を行った。なお、これらの資料に関するデータベースのサーバーを構築する準備が今年度に整えることができた。 (3)地域社会における歴史資料の問題と、地域社会の歴史像再構成に関わる議論の展開については、阪神地域と昨年秋以降に発生した連続台風による風水害被災地や新潟県中越地震の被災地域で生じた問題の比較検討を行った。
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