研究課題/領域番号 |
14310160
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
竹永 三男 島根大学, 法文学部, 教授 (90144683)
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研究分担者 |
今津 勝紀 岡山大学, 文学部, 助教授 (20269971)
相良 英輔 島根大学, 教育学部, 教授 (70124071)
喜多村 正 島根大学, 法文学部, 教授 (60101185)
小林 准士 島根大学, 法文学部, 助教授 (80294354)
川久保 篤志 島根大学, 法文学部, 助教授 (50314612)
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キーワード | 中山間地 / 地域景観 / 鑪製鉄 / 被災史料 / コージュウ(講中) / 本願寺 / 田中梅治 / 和牛 |
研究概要 |
第二年度にあたる今年度は、第二対象地域である鳥取県日野町において合宿調査研究を行うとともに、第一対象地域である島根県石見地方について分担者が個別研究分析を進めた。 第一に、日野町での調査合宿で町内全地区を巡検し、中山間地の地域景観の現地検討を行うとともに、各地区で集落実態とその生業について聴き取り調査を行った。また、救出保全した被災史料の整理指導・検討を行った。尾立和則は、襖下張文書に即してその剥離方法と剥離文書の地域的特徴について検討を加えた。地域景観と地形の歴史的変遷については、今津勝紀が10mメッシュのDEMにより細密な地形復原を行い、黒坂陣屋支配の分析を念頭に、山藤良治が黒坂町を中心に史料収集を進めた。 第二に、島根県石見地方については、中山間地の産業・生業に関して、鑪製鉄業を研究対象とする相良英輔が江津・沢図家文書中の江口鑪の史料と田伎町・宮本櫻井の鑪関係史料を収集した。川久保篤志は、瑞穂町の農業衰退過程と和牛飼養農家の経営実態の調査を行い、過疎対策との関連で分析し、伊藤康宏は地域農業団体の史料収集を進めた。宗教・信仰に関しては、喜多村正が瑞穂町市木地区のコージュウと村落組織の関係及び戦後の町村合併における旧市木村の分村合併の経過を分析し、真宗寺院とその門徒組織について、喜多村とともに小林准士が本願寺史料研究所所蔵史料を閲覧・撮影し、本願寺(本願寺派)と出雲・石見の真宗寺院との関連の分析を進めた。小林はまた、石見各地の在地の信仰・習俗の実態分析を、紛争・争論事例を手がかりとして進めている。地域振興の歴史的担い手の事例である田中梅治については、竹永三男が、撮影を完了した同文書について、その地域振興の取り組みと地域認識についての分析を進めた。さらに幕末期の石見地域史料の収集を岸本覚が、現在の地域振興事業の調査・分析を坂山高朗がそれぞれ進めた。
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