研究課題/領域番号 |
14310162
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安藤 保 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60136827)
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研究分担者 |
中山 富広 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50198280)
宮崎 克則 九州大学, 総合研究博物館, 助教授 (80219758)
大賀 郁夫 宮崎公立大学, 人文学部, 助教授 (00275463)
三澤 純 熊本大学, 文学部, 助教授 (80304385)
楠本 美智子 九州大学, 総合研究博物館, 助手 (10091232)
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キーワード | 石本家文書 / 西国 / 在郷商人 / 日田 / 広瀬家 / 豪農 |
研究概要 |
本年度の研究目的は、(1)石本家文書の整理・目録化、(2)西国の在郷商人存在状況を明らかにする、(3)石本家文書の研究および西国の在郷商人研究の推進、(4)研究報告書の作成、であった。 (1)に関しては、楠本美智子氏が中心となり、大学院生を雇用して整理にあたり、九州文化史研究所に所蔵する石本家文書3万余点の整理を終わり、他の資金を利用して今年度中に目録発行が行われることになった。九州大学が昭和28年初めて石本勝之丞氏より寄贈を受けて以来、一部の仮目録は作られたが、他は未整理のままになっていた本史料の全体像が初めて明確になった。この一事のみでも本研究の学会への寄与は計り知れないと自負している。 (2)に関しては、九州各県の在郷商人に関するデーターを収集し、それを一覧として報告することになっているが、書冊形式での報告書では大部の量となることが見込まれるために、CDによる報告書とすることにした。これにより、検索の利便性がはかられると共に、状況によっては、九州大学総合研究博物館のホームページから公開することも可能である。データーのCD化などについては宮崎克則氏が中心となった。 (3)に関しては、安藤を初め中山・大賀・三澤の諸氏により研究が進められた。安藤は、石本の特異な商人像を勘定所附御用達と長崎における入札商人(貿易品取り扱い商人)に見ている。また、日田郡代の下で力を発揮した広瀬家と石本家を対比させ、権力と密着する広瀬家、権力と相対的に距離を置き利用する石本家という2タイプの商人のあり方について研究をすすめている。中山富広氏は、中国地方の豪農の存在について研究をすすめ、大賀郁夫氏は日向地域の豪農と地域社会に附いての研究を進め、これまでの研究成果をまとめて博士請求論文である『近世山村社会構造の研究』を校倉出版より刊行するはこびとなった。 (4)については、(1)・(2)の成果を含め、これまでの研究成果を冊子体に纏めて発表する。
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