研究課題/領域番号 |
14310165
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
岡 佳子 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (50278769)
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研究分担者 |
牛山 佳幸 信州大学, 教育学部, 教授 (60176659)
牧野 宏子 関東学院大学, 人間環境学部, 助教授 (50219309)
西口 順子 相愛大学, 人文学部, 教授 (80237685)
岡村 喜史 龍谷大学, 文学部, 講師 (50340493)
高木 博志 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (30202146)
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キーワード | 尼門跡 / 尼寺 / 尼僧 / 比丘尼御所 / 女性 / 仏教 / 霊鑑寺 / 中宮寺 |
研究概要 |
本年度は4回の尼門跡寺院の文書調査、2回の研究会を実施した。まず、6月22日、研究代表者・分担者とともに検討会議を持ち、研究の方向性を明確にするとともに、実際の研究計画についての方針を決定した。調査については、平成11年度から3ヵ年で実施した、基盤研究(B)(1)「中・近世文書にみる尼門跡寺院の歴史的変遷と生活文化、尼僧の信仰研究」(研究代表者・西口順子・11410094)を継承する形の古文書調査である。対象寺院は中宮寺(8月1〜3日)、霊鑑寺(9月1〜3日、2月27日〜3月1日・3月27日〜30日)で、中宮寺では約300点、霊鑑寺でほ約800点の文書を調査し、調書を作成し一部をマイクロ撮影した。中宮寺文書は、江戸時代後期の尊珍(慈眼院宮)・尊照(慈心院宮)、尊澄(慈明院宮)の3代の中官寺宮の葬送、年忌法要の関係文書で、これらから尼僧の法要の実態と、法要に参加者から当時の大和国における比丘尼御所の周縁が明確となる。霊鑑寺文書は明治〜大正にかけての近代文書で、維新の激動期における比丘尼御所の動揺、さらに近代の尼門跡制再編の過程が明確となる。本年度で霊鑑寺の文書調査はほぼ終了し、書跡・墨蹟などの懸幅類を残すのみとなった。また、前回の基盤研究の折に残した、中宮寺文書のデータ・ベース化をすすめ、約1200点の文書の打込みを終了し、本年度の調査文書の入力も進めている。 本年度は、2回の女性と仏教における諸問題をテーマにした尼寺文書研究会を実施した。本研究会は、研究分担者を中心に内外から発表者に招いての公開形式の研究会であり、各回ともに活発な討議が交わされた。内容は、第1回・相愛大学教授・西口順子「室町期尼衆の活動-後花園上皇の葬送と尼衆」(6月22日)、第2回・プリンストン大学大学院生・ローリーミークス「仏教伝統の差別的な女性観を避けた中世の比丘尼をめぐって」コロンビア大学大学院生・ジーナコガン「円照寺と文智-17世紀の尼寺と戒律をめぐって-」(9月2日)である。
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