研究課題/領域番号 |
14310165
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研究機関 | 大手前大学 |
研究代表者 |
岡 佳子 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (50278769)
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研究分担者 |
切畑 健 大手前大学, 人文科学部, 教授 (80000363)
牧野 宏子 関東学院大学, 人間環境学部, 助教授 (50219309)
牛山 佳幸 信州大学, 教育学部, 教授 (60176659)
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30202146)
岡村 喜史 龍谷大学, 文学部, 助教授 (50340493)
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キーワード | 尼門跡 / 尼僧 / 尼寺 / 比丘尼御所 / 女性 / 中宮寺 / 慈受院 / 総持院 |
研究概要 |
本年度は2回の尼門跡寺院の文書調査、1回の研究会を実施した。調査対象寺院は昨年度に引き続き、中宮寺(平成17年7月9日〜8月3日)と慈受院(平成17年9月5日〜9日)である。中宮寺では約300点、慈受院では約200点の文書を調査し、調書を作成し、その一部をマイクロ撮影した。また慈受院では切畑健の担当で寺蔵の染織品の約10点の調査を行った。 中宮寺文書は、明治30年代の近衛尊覚時代の書簡類が主で、近代の中宮寺の日常生活が明らかになった。慈受院文書は、大正8年に合併した総持院関係の文書である。今回は、江戸時代後期の天心瑞浩による総持院再興関係文書、幕末から近代にかけての住職、亨道・明道・恒道関係文書を調査し、維新期の総持院状況や、慈受院との合併にいたる経過なども明確になった。慈受院蔵の染織品では女性の小袖を仕立て直した打敷、袈裟などであり、大半が江戸時代の作品であったが、なかには室町時代の中国製の袈裟なども発見された。 尼寺文書研究会は9月5日に第7回を実施、吉田一彦「天寿国曼荼羅繍帳の成立について」切畑健「染織史からみた天寿国曼荼羅繍帳」が報告された。両報告は昨年度第6回の研究会から継続した内容で、美術工芸史と歴史学の双方からのアプローチにより、研究がより深化した。 本年度は該研究の最終年度であるために、後半は報告書の作成に充てた。研究代表者・分担者・協力者が古代から近代までの尼寺に関わる諸論考、調査文書の史料紹介などの執筆、文書目録などを作成した。本年度まで4年間の研究期間の間に多くの成果を挙げたものの、中宮寺・慈受院文書数が多量であるために、文書調査は終了できず、残された課題となった。
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