研究課題/領域番号 |
14310169
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
久保 亨 信州大学, 人文学部, 教授 (10143520)
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研究分担者 |
奥村 哲 東京都立大学, 人文学部, 教授 (80144187)
笹川 裕史 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10196149)
川井 伸一 愛知大学, 経営学部, 教授 (00267882)
水羽 信男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)
山本 真 筑波大学, 人文社会科学研究科, 講師 (20316681)
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キーワード | 近代史 / 現代史 / 中華民国 / 中国国民政府 / 中国革命 / 中華人民共和国 / 建国初期 |
研究概要 |
4年目を迎えた本年度は、今回の共同研究の成果を総括し、広く学界に報告するため、論文集の刊行準備と研究成果報告書の作成に多くの時間を費やした。 そのため2005年8月に筑波大学で論文集作成のための準備合宿を行い、出席した科研のメンバー全員が各自の執筆する予定の論文について報告を行い、討論した。また2004年12月に開催した国際シンポジウムの記録、並びに共同研究推進のために発行したニュースレター(創刊号〜第15号)を収録した研究成果報告書を作成した。 1949年の中国革命は、帝国としての中国の残照と、清末から戦後国民政府期に至るまでの歩みを踏まえた近代国民国家としての新たな挑戦と、一党独裁と社会主義の可能性に対する過剰な期待とが入り交じった、複雑な混合物であった。したがって、49年革命以後も引き継がれた要素とそれによって断ち切られた要素とを明らかにするためには、以上のようなそれぞれの問題領域に即して具体的な考察を深めなければならない。また、その後の人民共和国の歩みは、近代国民国家としての内実を徐々に固めてくる過程であったと同時に、一党独裁と社会主義のシステムが果たしうる役割とその限界が如実に露呈してくる過程でもあった。その過程において、帝国・国民国家・社会主義の論理を超えるための端緒も見いだされてきているのであり、それを近現代中国の歴史の中に改めて位置づけ直す営みが、今、とくに重要になってきている。準備中の論文集原稿には、政治・経済・軍事・社会・文化・教育など様々な方面から考察を深めた12篇の論稿が収録されており、目下、刊行助成を申請中である。 そのほか研究代表者は、第20回国際歴史学会第3特別分科会「近現代の中国と世界」(シドニー、2005年7月)、国際シンポジウム「1930年代の中国」(成都、2005年8月)などに参加し、研究課題をめぐり世界各地の研究者と意見を交換した。
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