研究課題/領域番号 |
14310173
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
江口 真理子 島根県立大学, 総合政策学部, 助教授 (00269523)
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研究分担者 |
井上 治 島根県立大学, 総合政策学部, 助教授 (70287944)
井上 厚史 島根県立大学, 総合政策学部, 助教授 (90259565)
貴志 俊彦 島根県立大学, 総合政策学部, 助教授 (10259567)
松本 ますみ 敬和学園大学, 人文学部, 助教授 (30308564)
唐 燕霞 島根県立大学, 総合政策学部, 講師 (80326404)
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キーワード | 宣伝 / 広告 / プロパガンダ / 戦争 / 東アジア / 分化 |
研究概要 |
平成15年度は2回のシンポジウムと2回の研究会を開催した。平成15年3月にアメリカによるイラク攻撃が始まったことを受けて、今行われている戦争においてどのような宣伝広告が行われているかを歴史的研究の視点とする必要から、本研究会では現代の戦争と広告をテーマに二つのシンポジウムを開催した。第1回シンポジウムは「戦時下メディア文化性」というテーマで、中国(張紹鐸)・韓国(井上厚史)・モンゴル(井上治)・アメリカ(江口真理子)のメディアがイラクアメリカによるイラク攻撃をどのように表象したかを島根県立大学の研究メンバーが発表した。東京大学東洋文化研究所教授の羽田正氏に「『イスラーム世界』という語と報道」について講演を依頼した。第2回シンポジウムは、同様のテーマについては映像(瓜生忠久)・服飾(山崎稔惠)・広告(江口真理子)・音楽(諏訪淳一郎)という異なるメディアの観点から、発表を行った。また、アジア経済研究所の酒井啓子氏から「戦争と独裁のための『宣伝』:フセイン政権のシンボル操作」について講演を依頼した。 第1回研究会は、20世紀前半の戦時期という本来の対象に焦点を絞り直し、大阪市立大学助教授の土屋礼子氏に「第二次世界大戦期の連合軍による対日宣伝ビラ」について講演を依頼し、松本ますみが「民国期中国ムスリムに対する英米ミッショナリーのキリスト教宣教:中国内地会、穆民交際会と対華僑辺境戦略」、唐燕霞が「三十年代上海の広告」について発表を行った。第2回研究会は、東京大学社会情報研究所教授の吉見俊哉氏に「戦争・アメリカ・戦後日本」というテーマで講演していただき、吉見俊哉・山本拓司・小泉智佐子氏らに「社情研における戦時宣伝関連資料のDB化作業」の発表をしていただいた。また、村井洋が「チロル・プロパガンダ・市民社会」について発表をした。 これらのシンポジウムや研究会を通して、国際関係の力学、メディア規制、国内問題の力学、歴史的記憶等の宣伝広告の背景的要素だけでなく、メディア独自の内的ロジックも戦時下の宣伝広告のあり方に影響を与えていることが議論された。
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