研究課題/領域番号 |
14310174
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
吉田 順一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70063716)
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研究分担者 |
梅村 坦 中央大学, 総合政策学部, 教授 (90124289)
宇野 伸浩 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (60310851)
石濱 裕美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教授 (30221758)
井上 治 島根県立大学, 総合政策学部, 助教授 (70287944)
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キーワード | ハラホト / 文書 / 元朝 / モンゴル文字 / 八思巴文字 / ウイグル文字 / チベット文字 / シリア文字 |
研究概要 |
今年度も研究代表者の下で毎週一回モンゴル文書の研究会を行い、手元に写真・複写のある文書のほぼすべてをラテン文字転写し、訳を付け終わった。そして2004年12月下旬に研究代表者と研究分担者の井上、永井、舩田が内モンゴル大学に出かけてチミドドルジ教授、チョイジ教授、オヨンビリク教授、ボヤンデルゲル教授と合同研究会を開き、原文書を参照しながら読みを確定した。また今なお所在のはっきりしないものや所在が分かりながら見ることのできない文書および昨年に保存処理を依頼していたものの保存処理が出来上がった文書をCD画像として受け取った。その中に40件に近いモンゴル文書が存在したので、帰国後1月から週2回、1回5時間のペースでそれらを読む作業を実施したが、断片的なものが多く、読解にかなりの時間がとられた。なおモンゴル文書の内容には経済関係のものが多いと言える。 モンゴル文書以外は、今年もそれぞれの担当者が個別に研究を進めた。すなわちウイグル文書については梅村が7枚の文書について解読を進め、経済関係のもの、仏典関係のもの、語彙集断片のものがあることなどを明らかにしつつある。ペルシャ語文書については宇野8枚の文書の解読を他の専門家の協力も得て解読を進め、コーランを引用したもの、スーフィー関係文献の一部などがあることなどを明らかにしつつある。中にアラビア文字でトルコ語を記した文書があることもわかった。チベット語文書については石濱裕美子が解読を進め,ほぼ作業を終えた。シリア文書については、今年度に新しく武藤慎一を研究分担者として定めたが、武藤はただちに研究を開始し、文書の明瞭な部分の文字種の確定作業およびテクスト内の各単語の同定作業を行い、アルファベットのうちほとんどの文字の文字種が確定した。またいくつかの単語及び連語を同一テクスト内で同定した。 以上、今年度は、研究が大いに進捗した。
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