研究課題/領域番号 |
14310176
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 法政大学 (2004) 千葉大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
南塚 信吾 法政大学, 国際文化学部, 教授 (50055315)
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研究分担者 |
小澤 弘明 千葉大学, 文学部, 教授 (20211823)
御子柴 道夫 千葉大学, 国際教育開発センター, 教授 (10219610)
雨宮 昭彦 千葉大学, 法経学部, 教授 (60202701)
岩田 昌征 東京国際大学, 教授 (60125284)
藤井 真理 千葉大学, 文学部, 助教授 (70323384)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | ヨーロッパ / 社会主義 / キリスト教 / 1990年代 / 1930年代 / 資本主義 / 共産主義 / グローバリゼーション |
研究概要 |
本研究では、まず1990年代以後、ヨーロッパにおいて見られた「第三の道」論を、東欧、イギリス等を中心に検討した。そしてそれらが、グローバリゼーションに対応する社会主義の試みであることを確認するとともに、そのような「第三の道」論がグローバリゼーションに対抗する道としても有効であるか否かといった批判もさまざまな形で出ていることを確認した。 ついで、歴史的に見るならば、「第三の道」論は、1990年代に入って、グローバリゼーションへの対応として登揚してきているように考えられていえるが、実は、すでに1930年代にさまざまな形で、ヨーロッパにおいて提起されていた思想であることが、明らかになった。1930年代というと、一方でソ連の社会主義と、他方でのナチスなどによるファシズムの二つの大きな思想とイズムの対抗関係で考えてきた傾向があるが、そうではなくて、社会主義のなかでの多様な可能性、資本主義のなかでの多様な道、そして両者の多様な関係が模索され、なかにはすでに「第三の道」と自称していた思想もあったということが、明らかになった。そのような試みの延長上に、1990年前後からの新しい「第三の道」論の展開があるのである。 そして、ヨーロッパで展開された「第三の道」論は、韓国や中国やその他の途上国において、重要性をもってくるのではないかと考えられる。特に中国は、政治的には共産党の支配を維持しながら、経済的には市場経済を取り入れて、ある意味での「第三の道」を実施しつつあるように見える。今後もそういう世界的な規模で「第三の道」論を検討していく必要がある。
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