研究課題/領域番号 |
14310180
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
河村 貞枝 京都府立大学, 文学部, 教授 (70111911)
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研究分担者 |
渡辺 信一郎 京都府立大学, 文学部, 教授 (10031618)
渡邊 伸 京都府立大学, 文学部, 助教授 (70202413)
岡本 隆司 京都府立大学, 文学部, 助教授 (70260742)
上田 純一 京都府立大学, 文学部, 教授 (90176587)
川分 圭子 京都府立大学, 文学部, 助教授 (20259419)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 公共性 / 国境 / 外交 / 帝国 / 交易 / 交通 / 秩序 |
研究概要 |
本研究は、一国史規模の近代国民国家形成に関わって提起された公共性・公共圏論を、国際的な規模の、空間的にひろがる「国境をこえる公共性」という概念として措定しなおすことによって、世界史上の国際構造の成り立ちを解明しようとするものである。同質政体問の相互関係からなるヨーロッパ型の国際構造と、異質な諸政体問の関係からなる東アジア型のそれとに分別し、諸政体間の交通・交流・秩序形成に着目しつつ、両者を比較史的に分析する研究活動をすすめた。2002年から4年間にわたって、各自の海外史料調査・全体の国内調査に加え、毎年およそ4回の共同研究会を実施してきた。 その主たる成果として、まず「東アジアの帝国と相互交流」のありようを考察した、渡辺信一郎「音の帝国」・上田純一「足利義満と禅僧」、第二に「近世ドイツとヨーロッパの秩序構造」に対する、渡邊伸「改革公会議をめぐる神聖ローマ帝国と公共性」・伊藤宏二訳「ヴェストファーレン講和文書の成立」、第三に「近代初期ヨーロッパ帝国の胎動」を考究する、橋本伸也「ライプニッツとロシア」・川分圭子「英領大西洋植民地における国王の課税」、最後に「近代世界のヨーロッパとアジア」に関わる、本田毅彦「インド高等文官たちの文筆活動」・岡本隆司「『清韓論』の研究」・小林啓治「戦間期日本における国際秩序認識の構造転換」・河村貞枝「女性参政権国際連盟(IWSA)の草創期と月刊紙JUS UFFRAGIIの意義」、以上の論考を得た。 以上の成果によって、歴史上の多様な国際関係・国際構造の成り立ちを解明してゆく足がかりは得られたと考える。しかしなおごく限られた局面の、基礎的・具体的な事例研究にとどまり、「国境」という概念に対する検討も不十分であった。今後はこうした点を反省し、さらに研究をすすめてゆきたい。
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