研究課題/領域番号 |
14310186
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上原 真人 京都大学, 文学研究科, 教授 (70132743)
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研究分担者 |
阪口 英毅 京都大学, 文学研究科, 助手 (50314167)
森下 章司 大手前大学, 人文科学部, 講師 (00210162)
吉井 秀夫 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90252410)
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キーワード | 古墳時代前期 / 対外交渉 / 紫金山古墳 / 朝鮮 / 中国 |
研究概要 |
本年度は、紫金山古墳の総合的な調査を本格的に進めた。第1に、大阪府教育委員会・茨木市教育委員会の指導・協力をえて、紫金山古墳の墳丘規模・構造を明らかにするための発掘調査をおこなった。その結果、1)前方部前面墳裾が、従来考えられていたよりさらに外側に存在すること、2)古墳の全長が、従来考えられたよりも約10m長い約110mであること、3)前方部・後円部とも基本的に3段築成で、斜面には葺石をもつこと、4)北側くびれ部に特殊な鰭をもつ埴輪が樹立されていたこと、などを明らかにすることができた。 第2に、昭和22年に発掘調査された後円部の竪穴式石槨から出土した遺物についての調査・研究を進めた。昨年度に作成した出土遺物の一覧表をもとに、京都大学総合博物館で保管されている鉄鏃などの鉄製品については、実測作業を進めた。朱・棺材などのサンプルについては、保管状況を確認し、自然科学的な分析を依頼した。また、大阪府立近つ飛鳥博物館で展示中の遺物については、博物館の協力をえて実測・写真撮影作業を進めた。 第3に、以上の調査成果を検討し、それをもとに古墳時代前期の対外交渉の実態を明らかにするために、昨年度に引き続き研究会を開催した。今年度は、6月7日に岸本直文(大阪市立大学助教授)が『前方後円墳研究の課題と紫金山古墳』、11月29日に吉井が『2003年度紫金山古墳発掘調査の成果と課題』、2月21日に森下が『紫金山古墳出土の鏡』の題目で発表し、討論をおこなった。
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