研究課題
今年度は、南朝・百済と三燕・北朝・高句麗との比較研究のため、遼寧省、内蒙古各地の都城・墳墓を調査した。つまり遼寧省朝陽、北票県に所在する三燕・北魏の遺跡を踏査し、朝陽博物館において遺物の調査をおこなった。同博物館で朝陽北塔周辺の「龍城」の発掘成果についての情報をえた。また遼上京や遼慶陵などを踏査し、都城や墓制の比較研究をおこなった。南京の建康城と帝陵・墳墓のGPS調査を実施した。南京城(明)と建康城(南朝)の坊里・巷の測量をおこなった。また韓国扶餘の百済泗〓城のGPS調査を実施し、泗〓城の巷制を復元する手がかりをえた(東潮「金教年『新羅・百済の都城の形態と機能』について」奈良女子大21世紀プログラム国際シンポジュウム 東アジアにおける古代都市・宮殿 コメント、2005年3月)。14年度の南京調査の成果の一部である、東潮「晋式帯家具と馬韓・百済」(『地域と古文化』2004年3月)は、南朝・百済との国際関係にかんするものとして、韓国考古学界で注目された。共同研究員の川本芳昭の『中華の崩壊と拡大』(『中国の歴史』5)は魏晋南北朝時代を中心とした概説書であり、今回の共同研究の核となるものが出版された。その検証は、最終年度にあたる17年度におこない、報告書を準備する予定である。5世紀の倭と高句麗との国際関係についての研究のため、中国吉林省集安の都城・王陵を踏査した(別途の助成金による)。遺跡群は2004年6月に世界遺産に指定され、公開されるようになった。また東潮は2005年4月5日〜7日、アメリカ・ハーバード大学開催の'The Harvard Conference on Koguryo History and Archaeology'において、「高句麗墓制と王権」というテーマで発表する予定である。
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山川出版社
ページ: 1-90
古代を考える 日本と朝鮮、吉川弘文館
ページ: 10-36
ページ: 171-201
青丘学術論集 24
ページ: 5-44
ページ: 149-171
ページ: 98-120