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2004 年度 実績報告書

南島出土類須恵器の出自と分布に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14310188
研究機関琉球大学

研究代表者

池田 栄史  琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)

キーワード類須恵器 / 徳之島カムィヤキ古窯跡群 / 蛍光X線胎土分析 / 高麗時代製陶技術 / 中世陶磁器 / 琉球列島 / 琉球王国 / 中世商業集団
研究概要

本研究は琉球列島に分布する11〜14世紀代の遺跡から出土する硬質陶器である類須恵器について、その分布と生産のシステムについて明らかにすることを目的とする。3年間の研究期間の最終年度となる今年度は、これまでの補足調査と報告書作成を中心とした作業を行なった。
まず、補足調査については、昨年度までの調査において、類須恵器の生産地である鹿児島県大島郡徳之島伊仙町カムィヤキ古窯跡群の分布調査および物理探査に協力しており、今年度についてもその作業に関わるとともに、独自に採集してきた各窯跡群採集資料についての実測と資料の比較検討を行なった。また、これらの資料については、大谷女子大学文化財学科三辻利一教授に依頼して、胎土に対する蛍光X線分析を行ない、成分比率のあり方について、分析的検討を行なった。
報告書作成については、上記作業によって得られた各窯跡群採集資料の分類・編年の検討を行なうとともに、これまでに作成した出土遺跡地名表の追加・補足と学史的取りまとめなどを行なった。また、これらを基に、類須恵器生産技術の系譜について、起源を含めた検討を進めた。
この結果、類須恵器は朝鮮半島高麗時代の製陶技術を下に、日本や中国などの器種や器形を取り入れて、琉球列島を主な供給先として、徳之島で成立した中世窯跡群で生産された無雄陶器であることが明らかとなった。これらの窯跡群および類須恵器の成立には、11世紀代の東アジアにおける地域的動乱、特に日本列島における源平争乱から鎌倉幕府の成立期にかけての動向が大きく影響しており、さらには博多を経由した中国・朝鮮半島との交易の拡大が日本の枠組みを越えた技術とこれを保持する人材の移動を生み出したものと考えられる。また、これを契機として、琉球列島では次第に地域的政治集団の形成が進められ、14世紀代の琉球王国の成立の基盤が構築されることとなる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 類須恵器とカムィヤキ古窯跡群-その名称をめぐって-2005

    • 著者名/発表者名
      池田栄史
    • 雑誌名

      肥後考古 第13号

      ページ: 93-102

  • [雑誌論文] グスク時代開始期の土器編年をめぐって2004

    • 著者名/発表者名
      池田栄史
    • 雑誌名

      琉球大学考古学研究集録 第5号

      ページ: 25-40

  • [雑誌論文] 類須恵器と貝塚時代後期2004

    • 著者名/発表者名
      池田栄史
    • 雑誌名

      考古資料大観 第12巻

      ページ: 96-101, 213-222

  • [雑誌論文] 鹿児島・沖縄の中世相当期における考古学研究の動向2004

    • 著者名/発表者名
      池田栄史
    • 雑誌名

      第5回沖縄考古学会・鹿児島県考古学会合同学会研究発表会資料集

      ページ: 45-62

  • [雑誌論文] 沖縄出士貿易陶磁の様相2004

    • 著者名/発表者名
      池田栄史
    • 雑誌名

      シンポジウム「環シナ海世界と古琉球」資料集

      ページ: 21-24

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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