研究課題
基盤研究(B)
本研究については、当初の目的として、(1)類須恵器の分布について地名表を作成し、最近の分布状況を確認する。(2)類須恵器の製作技法について、関係が取り沙汰される日本の中世陶器や高麗製無釉陶器との比較検討を行なう(3)徳之島カムィヤキ古窯跡群において陶器資料を表面採集し、その形態的特徴や製作技法などについて、支群ごとに検討を加えた上で、各支群間の関係について検証するとともに、カムィヤキ古窯跡群における類須恵器生産のあり方について、理解論を提示するという3点を掲げた。(1)については鹿児島県薩摩半島から、琉球列島全域にわたり、最南西である波照間島・与那国島までに及ぶ350遺跡からの出土を確認した。(2)については、類須恵器製作技術の系譜に関わることから、中でも高麗製無釉陶器との比較研究を行なうため、韓国における同製品の確認と比較を進めた。しかし、現在の段階で直ちに琉球列島に分布する類須恵器あるいは徳之島伊仙町カムィヤキ古窯跡群との間で、何らかの関連性を求めた比較を行なうことはできなかった。(3)については地磁気や電気を用いた物理学的探査技術の導入や胎土分析の採用など、新たな調査・研究手法の導入について実験的な調査を行なうとともに、各支群から資料を採集しその分析・検討を進めた。この結果カムィヤキ古窯跡群からの採集資料は製作技術や器種構成などの点から大きく二大別でき、窯跡群は大きく西側から東側へ移動した可能性を持つことを明らかにした。今後はこの三年間の研究をひとつの足掛かりとして、次の研究次元へ進んで行きたい。
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すべて 雑誌論文 (6件)
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