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2002 年度 実績報告書

GISシステムを用いた考古空間情報の高度解析法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 14310193
研究機関国際日本文化研究センター

研究代表者

宇野 隆夫  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (70115799)

研究分担者 小方 登  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (30160740)
森 洋久  国際日本文化研究センター, 文化資料研究企画室, 助教授 (10282625)
千田 稔  国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20079403)
藤尾 慎一郎  国立歴史民族博物館, 生産遺跡研究部門, 助教授 (30190010)
春成 秀樹  国立歴史民族博物館, 生産遺跡研究部門, 教授 (20032708)
キーワードGIS / 歴史的空間 / 考古学 / 地理学 / 遺跡 / 遺物 / 集落 / 都市
研究概要

データ入力としては,京都府南部の弥生時代遺跡について空間情報(面データ)と,種々の属性データを入力した。また静岡県・岐阜県・大阪府・高知県・福岡県・大分県・沖縄県の遺跡空間データ(各時代データ)を入手し,京都府データと合わせて解析した。現地調査としては,中国陵西省において,GPSを用いて,遺跡の平面データを測量する調査を実施した。システム環境整備としては,SIS上で等高線(等値線)描画を支援するソフトウェアを開発した。
上記のデータ・システム環境において,遺跡空間データの種々の解析を実施した。特にティーセンエリア作成による遺跡の生活圏・領域の復元,遺跡数をZ値とする等高線の作成,遺跡面積をZ値とする等高線の作成などを実施した。ティーセンエリア面積については,平均値と標準偏差を算出して時系列に基づく推移を復元している。
これらの解析の結果,以下のような成果が浮かび上がった。
1 最も詳細な属性データを付与した京都府南部弥生時代遺跡については,三川(木津川,鴨川,桂川)合流地帯という不安定であるが,交通の要所に少数の大規模遺跡が営まれた。小規模遺跡は桂川右岸・鴨川左岸・木津川左岸の安定した場所に数多く営まれた。小規模集落集中地帯には,それらを束ねたと思われる拠点集落があり,弥生時代の中で拠点集落の成立・増加と再編淘汰のプロセスが存在した。
2 各県の通時代データにおいても,弥生時代は遺跡が平野に集中・増加し,領域が平均化(標準偏差の減少)する変革期であったと理解できる解析データが得られている。以後,飛鳥・奈良時代にかけて国作りの進行に応じて遺跡領域の格差が増大し(標準偏差の増大),中世に再び平均化する点も共通している。ただしこの傾向は,平野面積の比率が高い地域ほど強く現れている。また山林面積が多い地域には,多くの縄文時代遺跡が存在した。
3 以上の集落の動向に,中国・韓国の遺跡,また武器や装身具などの遺物情報を重ねあわせることによって,文化の伝播や変容に関する,新しい解釈を提示できるようになりつつある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宇野隆夫: "東アジアにおける武器の画期"武器の進化と退化の学際的研究. 日本研叢書27. 37-52 (2002)

  • [文献書誌] 宇野隆夫: "模倣現象の内在する主体的情報処理"模倣と創造のダイナミズム. 67-92 (2003)

  • [文献書誌] 宇野隆夫: "日本列島における装いの歴史"「個人」の探究. 45-76 (2003)

  • [文献書誌] 宇野隆夫(千田稔と共編著): "東アジアと半島空間-山東半島と遼東半島-"思文閣出版. 400 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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