研究課題/領域番号 |
14310201
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
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研究分担者 |
増尾 伸一郎 東京成徳大学, 人文学部, 助教授 (60183943)
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
渡辺 憲司 立教大学, 文学部, 教授 (00123761)
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キーワード | 漢文説話 / 絵巻 / クラクフ国立博物館分館 / 沖縄県立図書館 / 鹿児島大学玉里文庫 / 鹿児島県立図書館 / ハノイ漢喃研究院 |
研究概要 |
本年度は、まず8月にポーランドのワルシャワ大学で開催されたヨーロッパ日本学会に小峯と渡辺が参加、日本と東アジアをめぐる文学言説の女性をテーマにパネル発表を行った。小峯は中世の神道集を中心に神仏をめぐるジェンダー、渡辺は遊女と遊郭に関する報告であったが、渡辺は急病のため、急遽、安原真琴が協力者として代行、渡辺の原稿を代読した。学会後、クラクフの国立博物館分館で絵巻関係の資料調査を行い、19世紀の琉球江戸上り芸能の図巻を見いだした。その他、酒呑童子絵巻、神田明神祭礼図、百鬼夜行絵巻等々、従来ほとんど知られていない絵巻群を調査、撮影できた。ついで、プラハに移り、国立東洋美術館で絵巻や漢字文献の資料調査を行った。東アジア全体にかかわる仏伝文学をめぐって、とりわけ日本作で注目される『釈迦の本地』絵巻をつぶさに調査することができた。最後にウィーンに赴き、国立東洋美術館でお伽草子の『さざれ石』絵巻ほかの資料を調査し、東欧に所蔵される一連の貴重な資料の一端をかいまみることができ、絵画をともなう漢文説話研究におおきく寄与するものであることが確認できた。 12月は沖縄県立図書館で、琉球漢文説話や薩琉軍記の資料調査を実施、伊是名島に赴き、第二尚氏をひらく金丸尚円王をめぐる伝承調査を現地であわせて行った。ついで、2月に鹿児島の県立図書館、鹿児島大学付属図書館の玉里文庫の資料調査を実施、漢文説話及び薩琉軍記関係の資料を精査できた。とりわけ玉里文庫の『南浦文集』は原本に近いとされる貴重なものであった。 3月、ベトナムのハノイに出張、漢喃研究院でベトナムの漢文資料調査を実施した。夏に行く予定をSARSのために延期したものであった。現地の研究員オワイン氏の協力を得て、種々貴重な資料を調査することができた。
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