研究課題/領域番号 |
14310204
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
中国語・中国文学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
氷上 正 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (40228698)
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研究分担者 |
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 助教授 (70292258)
平林 宣和 早稲田大学, 政治経済学部, 助教授 (40271358)
千田 大介 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (70298107)
山下 一夫 神田外語大学, 中国語学科, 専任講師 (20383383)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 皮影戯 / 京劇 / 京劇上演データベース / 上演環境 / 物語流通 / 文化交流ネットワーク |
研究概要 |
本研究は、京劇と皮影戯を主要な調査・研究対象として、近代北方中国における芸能の総合的研究をおこなったものである。 本研究の初期の目的のうち、(1)大都市の多様性に支えられた演劇の様態と相互関係の解明については、民国時期から現在に至る北京における京劇の上演情況を調査した。その成果として、民国時期以来の国劇概念の変遷を明らかにし、また国内各収蔵機関に所蔵される新聞資料等を調査の上、デジタル化を進め、京劇上演データベースのプロトタイプを完成させた。(2)大都市と周縁部の中小都市および農村との文化交流ネットワークの解明については、山西・陝西各地の皮影戯について現地研究機関との学術交流および老芸人へのインタビューを通じて資料収集を進めた。その結果、それらの地域における皮影戯上演の実態、流通範囲や上演形態、経済的背景などを明らかにした。またその過程で影絵人形や台本資料の収集を行い、整理作業をすすめるとともに、北京や山西など各地の研究機関に所蔵される資料についても調査をすすめ、所蔵目録を作成した。また、これら芸能の上演環境をなした寺廟についても、北京・山西・江蘇・湖北などで現地調査をすすめ、詳細な報告を発表した。(3)演劇・芸能による物語の流通と受容の実態については、以上の調査によって得られた材料をもとに、上演台本の制作過程および物語の流通について、『西遊記』物語などを題材として具体的に解明した。また、河北・東北地域における皮影戯の形成と伝播が、清代後半期であることを詳細に論証した。 以上の研究を通じて、民国時期における皮影戯および京劇の上演実態の解明という初期の目的は達せられたものと考える。
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