研究課題/領域番号 |
14310205
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
内田 慶市 関西大学, 文学部, 教授 (60115293)
|
研究分担者 |
沈 国威 関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (50258125)
|
キーワード | 西洋人の中国語研究 / 言語接触 / 『中西通書』 / 『遐邇貫珍』 / 近代中国語 / 文法研究 / 『衍緒草堂筆記』 / 初期中国語教育 |
研究概要 |
国内・外の図書館を訪問し、16世紀以降西洋人の中国語学研究の文献に関する調査した。特にイギリスではロンドン大学SOAS図書館、大英図書館、ウェルカム図書館、フランスでは、国立図書館などで、資料の発掘に努めた。調査・研究の結果は、次の通りである。 (1)SOAS所蔵の『遐邇貫珍』(1853-56、来華宣教師による中国語定期刊行物)の書誌的考査、語彙索引の作成を完成させた。 (2)来華宣教師による東西対照カレンダ『中西通書』1851年〜1860年分の整理を行った。 (3)幾つかのこれまでに不明とされた文献を突き止めた。例えば、上海で布教活動をしたJ.エディキンズは『上海方言文法』の中で、畢華珍及びその著書『衍緒草堂筆記』に言及し、これを高く評価している。研究者は中国の複数の図書館に照会したが、いずれからも否定的な返事しか得られず、所在不明の書になっていた。今回は、この所在が明らかになった。オーストラリア国立図書館所蔵の『論文淺説』は、.他ではなく『衍緒草堂筆記』であることが判明した。同図書館のコレクションは、ロンドン伝道会、上海支部の図書が入っていたのである。本書は中国文法学説史上極めて重要な資料となるのみならず、近代のヨーロッパ人の文法記述にも大きな影響を与えたことは注目されてよいであろう。詳細については、いずれ公表するつもりである。
|