研究課題/領域番号 |
14310212
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50188942)
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研究分担者 |
月村 辰雄 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50143342)
塩川 徹也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (00109050)
田村 毅 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011379)
竹内 修一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40345244)
塚本 昌則 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (90242081)
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キーワード | 詩の危機 / 散文詩 / ジャーナリズム / ボードレール / モデルニテ / 都市 / 詩と絵画 / 詩の翻訳 |
研究概要 |
フランス近代詩人のなかで、本研究のテーマに最も深くかつ多面的に関与するボードレールをめぐる国際シンポジウム「ボードレールと詩のフォルム」を、2003年5月27日に東京大学本郷キャンパス山上会館会議室において開催した。研究代表者の中地がルネサンス期以来の重要なジャンル「詩の墓」の系譜のなかにボードレールのある種の韻文詩を位置づける試みを行い、研究分担者の塚本は「意識の演劇化」「陶酔の記述」の視点からボードレールの『人口楽園』とヴァレリーの『テスト氏との一夜』の比較考証を行った。このシンポジウムには、ほかに日本人研究者4名と、パリ第4大学のアントワーヌ・コンパニョン教授、ジュネーヴ大学のパトリツィア・ロンバルド教授、パリ第3大学パトリック・ラバルト助教授を招聘、また本研究分担者全員が討論に加わり、ボードレールを核として、韻文詩と散文詩、詩と小説、詩とカリカチュアなど「詩のフォルム」をめぐる多角的な議論を交わした。その成果は最終報告に盛り込まれるであろう。 また、11月に開かれた東大シンポジウムにおいても、研究分担者塩川と塚本がパスカルとヴァレリーにおける「断章形式」に関する発表を行い、田村がネルヴァルの「黒い太陽」のイメージの後世への反響を跡付け、中地がルソーとボードレールにおける散策と散文との結びつきを比較検討しながら、「憐れみ」の内実と表現の関係の変質に光を当てた。 以上のように、本研究の目的に則して具体的な研究成果が積み重ねられつつある。
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