研究課題/領域番号 |
14310214
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森 芳樹 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (30306831)
|
研究分担者 |
中村 裕明 海上保安大学校, 外国語講座, 教授
田中 慎 千葉大学, 外国語センター, 助教授 (50236593)
稲葉 治朗 東京大学, 大学院・総合文化研究科言語情報, 助手 (10323461)
藤波 努 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学, 助教授 (70303344)
藤井 文男 茨城大学, 人文学部・人文学科, 教授 (40181317)
|
キーワード | 意味論 / 形式文法 / 日本語文法 / ドイツ語文法 / 前提 / トピック / フォーカス / 埋め込みと外置 |
研究概要 |
初年に当たる今年度、広義の意味解釈をいかに扱うべきか検討することから、個々の言語現象についての知見とアプローチについても、また「意味論を中心に据えたインターフェイスの再構成」のためのアーキテクチャについても研究の前進があった。意味論と他領域のインターフェイスに関わる具体的な言語上の個別現象として取り上げられたのは、談話のレベルにおける前提、トピックやフォーカスの問題、文のレベルにおける右方移動と多重埋め込みの問題だった。観察と記述に関しては、広義の意味解釈を理論の枠内に取り入れるという方法的な決断によって、これまで統語論的にのみ扱われてきた現象を他のモジュールに振り分けられるかという点に関心があった。(特定の理論に依拠しなければ特定できないインターフェイスの定式化には、本プロジェクトの目標からして、重点は置かれなかった。)音韻と表層形式と意味の関係を扱うことで,理論的枠組の議論に向かうことができた。説明上の妥当性を与えるメタ理論的な関心と方法に正当性を与えるための方法論上の関心は、言語処理に際して有効性を発揮する文法理論を確定していくことにあった。その際有効だったのは、この広義の意味解釈を意味論的解釈と意味理解とに区別した上で双方の関連を吟味することだった。この点では、形式意味論と機能主義言語学をどのように結合するかという問題についての議論が深まった。さらにこれらの方法論と認知についてのアプローチの関係については,研究分担者による脳科学,認知科学,コンピュータ支援言語教育(CALL)への積極的な関与が見られた。
|