研究課題/領域番号 |
14310227
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石川 達夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00212845)
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研究分担者 |
三木原 浩 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70116177)
橋本 隆夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20027791)
光末 紀子 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80031350)
岩本 和子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410)
藤野 一夫 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (20219033)
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キーワード | 多文化主義 / 越境 / コスモポリタニズム / 多言語 |
研究概要 |
今年度は各自の個別的な研究のほか、3回の合同研究会を開いた。1回目は三木原浩氏の「国境を越えた作家--プロスペル・メリメ オペラ『カルメン』第一幕--タバコの女工の合唱--をめぐって」、2回目は光末紀子氏の「20世紀初頭に活躍したドイツのフェミニストB.パッペンハイム」、3回目は石塚裕子氏の「コスモポリタン画家ジョン・シンガー・サージェントのこと」である。また、これ以外に関西大学法学部教授・大津留智恵子氏を招聘して「アメリカの多文化主義の模索--シビック・ナショナリズムがヨーロッパに示唆すること」の題で講演会を開催した。更に、海外調査として、光末紀子氏が主としてジェンダー関係の資料の収集のために2002年8月12日から24日までドイツ・オーストリアに行き、岩本和子氏がベルギーにおける芸術文化活動の現状調査および資料収集のために2002年2月9日から24日までベルギーに行った。 本研究は、1.多言語・多文化地域における文化的葛藤・融合と、2.他の言語・文化圏へと越境していった文化人における文化的越境・融合という、2つの問題に焦点を絞り、ヨーロッパにおける文化的交錯・葛藤・融合の具体的事例の考察を通して、独創的でありながらも高度な普遍性を持つ文化が多言語・多文化世界のダイナミズムからいかにして生み出されてきたのか、ということを明らかにしようとするものだが、今年度は、研究会では特に2に関して考察して討論を行い、講演会では1に関してアメリカの多文化主義が示唆するものについて考察して討論を行った。 今年度は4年計画の研究の初年度であり、まだ十分な研究成果を出す段階には至っていないが、文化が越境する時にヨーロッパの内部でさえも起こる様々な変容の具体的な諸相について知見を深め、また多言語・多文化地域の複雑な諸問題についてアメリカとヨーロッパとの比較を通じて知見を深めることができた。
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