研究課題/領域番号 |
14310227
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石川 達夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (00212845)
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研究分担者 |
三木原 浩 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70116177)
藤野 一夫 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (20219033)
岩本 和子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410)
内田 正博 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10151888)
小紫 重徳 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (70007756)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | ヨーロッパ / アイデンティティ / 民族意識 / 統一性と多様性 / 文化 / 民族性 |
研究概要 |
本研究は、ヨーロッパ文化のアイデンティティとヨーロッパ諸民族の民族意識とがどのような関係にあるのかを、特に多言語・多文化世界のダイナミズムという観点から、明らかにしようとした。具体的には、1.古代ギリシャ・ローマ、旧ハプスブルク帝国、現在のベルギーなど、文字通りの多言語・多文化地域における文化的葛藤・融合と、2.他の言語・文化圏へと越境していった文化人における文化的越境・融合という、2つの問題に焦点を絞り、ヨーロッパにおける文化的交錯・葛藤・融合の具体的事例の考察を通して、独創的でありながらも高度な普遍性を持つ文化が多言語・多文化世界のダイナミズムからいかにして生み出されてきたのか、ということを明らかにしようとした。 本研究は、ギリシャ・ローマから、フランス、ベルギー、ドイツ、オーストリア、イギリス、東欧・ロシアに至るまで、専門領域を異にするヨーロッパ文化研究者の超領域的・学際的な共同研究により、文化的交錯・葛藤・融合を繰り返してきたヨーロッパの具体的な文化現象の考察を通して、多言語・多文化世界のダイナミズムを浮き彫りにし、ヨーロッパ文化のアイデンティティとヨーロッパ諸民族の民族意識とがどのような関係にあるのかを追究することを、特色・独創的な点とした。このような研究によって、従来のような国別の文化研究では見えてこない、多言語・多文化世界としての新たなヨーロッパ像を提示し、広範な視野と多様な視点からヨーロッパ文化のアイデンティティを明らかにできる、という意義があった。更には、国際化がますます進む今日、日本とは異なる多言語・多文化世界から、独創的でありながらも高度な普遍性を持つ文化が生み出されてきたダイナミズムを、我々日本人が学び、我々自身が国際化の時代を生きるための知恵を探ることができた、という意義があった。そして、その成果を多くの論文や著書として公表することができた。
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