研究課題/領域番号 |
14320006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
川端 康之 横浜国立大学, 大学院・国際社会化科学研究科, 教授 (70224839)
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研究分担者 |
庄司 克宏 横浜国立大学, 大学院・国際社会化科学研究科, 教授 (60235710)
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キーワード | 租税条約 / 資本の自由移動 / 非居住者 / 租税情報交換 / 欧州諮問会議 / 欧州憲法制定条約 / 欧州中央銀行 / 裁量的政策調査 |
研究概要 |
今年度は研究第1年度であるため、研究代表者と研究分担者が、それぞれ、自己の専門領域での基礎調査を行うと同時に、文献調査を中心とする資料収集に重点をおいた調査研究活動を行った。 〔川端康之〕 欧州連合はローマ条約以降資本移動他の各種の域内経済の自由化を進めているが、2001年には資本移動の自由の影響を強く受けると見られる貯蓄性所得について、非居住者利子に対する源泉徴収税・情報交換の指令を採択している。2002年11月にはスイス他のEU近隣諸国との間での政策調整の交渉経過が公表され、源泉徴収税に代わる情報交換の重要性が脚光を浴びている。そこで、本年度の研究の一つの柱として、欧州における租税情報交換法制の指令段階及び国内法制の基本的構造と歴史的経緯について、現地調査を含めた加盟国各国の状況についての調査研究を行った。なお、上記の指令は依然流動的であると思われるので、今後も継続して調査を行う必要がある。 〔庄司克宏〕 当初の予定であるEUの金融政策法制に関わる個別立法の調査研究の前提として、欧州諮問会議で起草されている「欧州憲法制定条約草案」および2004年5月1日に予定されている10カ国の新規加盟により、EUレベルの経済・金融政策の仕組みがいかなる影響を受け、どのような修正が必要かを検討する必要に迫られた。具体的には、EUと加盟国の間の権限関係の明確化における経済政策および金融政策の位置づけ、理事会における経済政策の調整(財政赤字の抑制)、欧州中央銀行の法制度(特に政策理事会)、裁量的政策調整(open method of coordination)の在り方等について分析を行った。EUはこれまでにない対応を迫られている。
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