研究課題/領域番号 |
14320017
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 友信 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10107485)
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研究分担者 |
藤田 友敬 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (80209064)
岩原 紳作 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (20107486)
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キーワード | 保険契約 / 規制緩和 / 保険監督法 / 消費者保護 |
研究概要 |
3年の研究期間の2年目に当たる平成15年度においては、保険業の規制緩和が保険実務に及ぼしている影響についての実態把握および内外の保険監督法および保険契約法の最新の動向の分析の作業を引き続き行った。とりわけ、近年進展の著しい保険デリバティブが保険監督法および保険契約法にとって投げかけている問題、近時更なる規制緩和が議論されている銀行の保険販売の問題、国際会計基準審議会(IASB)における保険の時価会計が保険監督法に及ぼす影響の問題といった喫緊の重要課題について、実務の動向をフォローしつつ、法的な問題点を分析し、問題解決の方向を考察した。また、保険契約法に関しては、1980年代以降、EU諸国において相次いでいる保険契約法の現代化のための立法を幅広く考察し、とりわけ、保険契約法の最重要課題である保険契約者の義務(告知義務や通知義務)とその違反に対する制裁的効果についての立法的解決に焦点を当てて問題点の分析に努め、わが国の現行法や実務で採用されているall or nothing原則(保険契約者の義務違反があれば保険者の保険給付義務の全部免責が認められる)が次第に廃棄され、pro rata原則(義務違反があっでも正しい情報提供があったとすれば保険者の引受可能な範囲にある限りでは保険給付の減額にとどめる)がEU諸国では一般化しつつあることを確認し、そのような立法論のメリット・デメリットについて考察した。これらの研究成果は最終年度である平成16年度において論文にとりまとめる予定である。
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