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2004 年度 実績報告書

少年司法における検察官の役割

研究課題

研究課題/領域番号 14320021
研究機関東北大学

研究代表者

斉藤 豊治  東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00068131)

研究分担者 守屋 克彦  東北学院大学, 法科大学院, 教授 (90328261)
白取 祐司  北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10171050)
佐々木 光明  神戸学院大学, 法学部, 教授 (70300225)
中川 孝博  龍谷大学, 法学部, 助教授 (40330352)
山崎 俊恵  大阪経済法科大学, 法学部, 講師 (80388610)
キーワード少年司法 / 検察官関与 / 抗告受理申立 / 原則逆送 / 付添人 / 改正少年法 / 刑事裁判所から家裁への移送
研究概要

昨年度に引き続き、1.検察官関与事例の調査、2.外国の少年司法における検察官の役割について、海外調査を行った。
1.事例調査
今年度は、検察官が審判に関与した、(1)千葉県松戸市の強盗致死事件、(2)御殿場の強姦事件、(3)日野市の強姦致傷事件、(4)福岡市の殺人事件について、用意した統一調査票によりつつ、関係者から聞き取り調査を行った。このうち、(2)は原審での非行事実なし・不処分決定に対して、検察官が抗告受理を申立て、抗告審は受理を決定し、共犯者の刑事公判調書を取り寄せて検討し、原決定破棄、差し戻しを決定したところ、少年が再抗告している。公判調書に関して少年側の実質的な反対尋問がなく、流山中央判例に照らして、問題のある抗告審決定であるように思われる。
今年は、そのほか、検察官関与決定はないが、改正少年法で導入された16歳未満の逆送事例である、(5)郡山の強盗強姦致傷事件、(6)茨城県下の傷害致死事件についても、調査を行った。これらの事例では少年に刑事公判や未決拘禁を受け止めるだけの人格的成熟があるのかといった疑問がある。
2.海外調査
今年度は、岡田がドイツ東部のLeipzigの少年審判を見学し、検察官等に対するインタビューを行った。さらに、斉藤と山崎がワシントン・DCでABAの全米少年事件弁護センター(NJDC)および全米地区検察官協議会(NDAA),の研究機関であるAPRIで担当者からの聞き取りを行い、ヴァージニア州アレキサンドリア市で少年審判を傍聴し、裁判官等にインタビューを実施した。1980年のABA/IJA基準がいまなお、堅持されていること、検察官が「地域検察活動」(community prosecution)の観念のもとに、少年に対する刑事政策で重要な役割を果たすようになってきていることなどが確認された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 改正少年法の見直しと少年司法の課題2004

    • 著者名/発表者名
      斉藤 豊治
    • 雑誌名

      法学 68巻5号

      ページ: 1-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 20条2項送致の要件と手続2004

    • 著者名/発表者名
      正木 祐史
    • 雑誌名

      龍谷大学矯正保護センター研究年報 1号

      ページ: 26-42

  • [雑誌論文] 改正少年法における社会調査2004

    • 著者名/発表者名
      岡田 行雄
    • 雑誌名

      龍谷大学矯正保護センター研究年報 1号

      ページ: 43-59

  • [雑誌論文] 少年審判における「事実認定の適正化」2004

    • 著者名/発表者名
      中川 孝博
    • 雑誌名

      龍谷大学矯正保護センター研究年報 1号

      ページ: 60-79

  • [雑誌論文] 送致後の刑事手続と少年の適正手続2004

    • 著者名/発表者名
      渕野 貴生
    • 雑誌名

      龍谷大学矯正保護センター研究年報 1号

      ページ: 80-99

  • [雑誌論文] 少年に対する量刑判断と家庭裁判所への移送2004

    • 著者名/発表者名
      本庄 武
    • 雑誌名

      龍谷大学矯正保護センター研究年報 1号

      ページ: 100-119

  • [図書] 松岡正章先生古稀祝賀論文集『量刑法の総合的検討』「要保護性の判断と検察官逆送決定」2005

    • 著者名/発表者名
      斉藤 豊治
    • 総ページ数
      410(235-268)
    • 出版者
      成文堂

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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