研究課題
基盤研究(B)
本年度は、日本の国際政治学のサーベイの基礎作業に当てられた。一つは、19世紀末、明治維新以後の日本において、国際政治、また国際政治学がいかに捉えられていたかを、一般雑誌、学術雑誌、さらに単行本をもとに資料作りをすすめた。そこで、明治維新以来、日本は、欧米の国際政治学を貪欲に吸収し、また、国際法外交雑誌、国家学会雑誌、という学術誌だけではなく、改造をはじめとして、きわめて多くの一般雑誌に国際政治に関する論考があることが分かった。そして、学術的にも優れた論文が数あることが明らかになった。それとともに、19世紀末から、第1次世界大戦前までと、戦間期の国際政治学に関して、若干の分析を行った。19世紀の日本の国際政治学に関しては、ほとんど体系的に研究されたことはなく、貴重な資料を体系化したと考えられる。また、戦間期の日本の国際政治学に関しても新たな知見を得た。いま一つは、研究会を数回開催し、日本の国際政治学の展開、大学における国際政治学の取り扱いの歴史、等を検討した。さらに、現存する長老の国際政治学者に対するインタヴューの必要性が指摘され、インタヴューのスケジュールが検討され、実行に移されることになった。三つには、諸外国との研究交流も開始され、たとえば、アメリカ国際関係学会(ISA)に調査出張を行った。
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