研究課題
本年度は、次の活動を行った。(1)定例の研究会を開催し、研究分担者ならびに専門家の報告を受け、日本の国際政治学の特質、主要国の国際政治学との比較検討を行った。報告者ならびにテーマは酒井哲哉(東京大学)[戦前の日本の国際政治学]、土山實男(青山学院大学)[日本のリアリズム国際政治学の系譜]、国分良成(慶応大学)[中国の国際政治学]、下斗米伸夫(法政大学)[ソ連/ロシアの国際政治学]、であった。(2)海外から日本に来ている識者にインタヴューする形で、アメリカ、中国、韓国、シンガポールなどの国々の国際政治学の現況を調査した(たとえば、アメリカのJohn Ikenberry, Mastandunoなど)。(3)中国(国分良成)、ロシア(下斗米)、アメリカ(猪口孝(東大)、山本吉宣)に海外調査、意見交換を、当地の研究者と行い、資料を収集した。また、以上の作業に加えて、日本の国際政治学に関する資料の収集を続けている。また、研究成果を取りまとめるための準備作業として、各研究分担者がドラフト・ペーパーの作成を開始した。さらに、アメリカ国際関係学会(International Studies Association)と何らかの形で、共同会議を行う可能性を検討している。今までの研究で明らかになったことの一つは、日本は言うに及ばず、他の国々においても、アメリカの国際政治学の影響が強いことである。とくに、冷戦後は、ロシア、中国においてもアメリカの国際政治学の影響は強くなっている。とはいえ、各国のおかれている状況によって、その応用のされ方、重点の置き所は異なる、ということである。このような点を理論化していくことが今後の課題の一つである。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)
国際法外交雑誌 103巻4号
ページ: 1-29
国際関係論研究 22号
ページ: 1-55
青山政経論集 66号
法学志林 102巻2号
ページ: 11-32
法学志林 102巻3-4号
ページ: 1-35