研究課題
2004年4月以降、毎月の例会を行った。主要なものは、以下のとおりである。「南北戦争の記憶とアメリカ社会の再編」(貴堂嘉之・一橋大学)ではアメリカの新聞報道における歴史の記憶の変化について議論がなされた。「トラウマと証言・表象の地政学」(宮地尚子・一橋大学)では、集団的トラウマという概念の有効性について、報告者より疑義が挟まれた。「移行期における正義に関する断章的考察-記憶・忘却、赦し・復讐という点から」(土佐弘之・神戸大学)では、南アフリカ共和国や東ティモールなどの事例をもとに、真実和解委員会の活動および評価について議論がなされた。さらに、「ベトナム戦争の記憶の脱政治化」(ガリキオ・米国ヴィラノヴァ大学)では、ベトナム戦争の記憶の仕方について、今日では政治的文脈から議論されることが減少する傾向にあることが報告された。滝田賢治研究分担者は10月、中国に出張し、その成果について、「ベトナム戦争の記憶とアメリカのアジア外交」と題する報告を行った。また、同10月には、韓国からYoon Young O.先生(国民大学教授)を招聘し、韓国における歴史問題をめぐる研究、議論の状況について報告がなされた。本研究プロジェクトの成果公表について。まず、出版について構成案および個々のテーマについて議論した。歴史の記憶について、構成主義理論を参考に理論的考察を行う部分と、教科書、博物館、記念碑、新聞報道などの事例分析の部分を柱とする成果報告を行う。次に、研究成果の海外での発表を行うこととし、2005年8月に各国の国際政治学会の連合体であるWISC主催の国際会議(於:イスタンブール)において、大芝研究代表および馬暁華研究分担者は、パネルを応募(本年1月)し、これが受理された。英国の研究者(討論者)および韓国の研究者(ペーパー共同執筆)の協力を得て、報告・議論する予定である。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (11件) 図書 (4件)
国際問題 534
ページ: 14-27
創文 461
ページ: 16-19
記憶としてのパールハーバー(細谷千博, 入江昭, 大芝亮編)
ページ: 400-420
論座 111
ページ: 124-133
ページ: 52-70
ページ: 316-333
ページ: 364-399
植民地帝国日本の法的展開(浅野豊美, 松田利彦編)(信山社)
ページ: 257-294
記憶としてのパールハーバー(細谷千博,入江昭,大芝亮編)
ページ: 1-12
明治学院大学法学研究 77
ページ: 1-31
グローバリゼーションと東アジア(シンポジウム研究叢書編集委員会・川崎嘉元, 滝田賢治, 園田茂人編著)(中央大学出版部)
ページ: 67-88