研究分担者 |
大西 裕 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90254375)
野田 昌吾 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (50275236)
加茂 利男 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80047357)
永井 史男 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (10281106)
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研究概要 |
本研究は,中央地方の人的リンケージという枠組みを諸外国にも適用して,中央地方関係,地方分権について,人事行政の観点から考察しようとするものである。 研究の方向としては、第一に、モデルを他の先進国に適用して,その適用可能性を調べ,理論の発展を図ることを目的とし、第二に、近年地方分権が急速に進められているアジア諸国についての実証研究を行うこととした。 研究初年度の平成14年度においては、まず、ヨーロッパ諸国の中央地方人的リンケージを探るため、地方自治の類型が異なる分離型のイギリス,統合型のフランス、そしてドイツの人的リンケージについて実地調査を行った。いずれの国においても人的資源管理は地方自治体にとって極めて重要な課題であることについての認識は共通であったが、国家官僚制と地方自治体とのリンケージには多様性が見られた。英国においては、リンケージは全くなく、フランスにおいては極めて強かった。これが地方分権の可能性といかなる関係にあるのか、来年度以降のテーマである。 第二に、アジア諸国については、韓国、タイ、インドネシア等について、精力的な調査活動を行った。アジア諸国では,いずれも日本が戦後経験した,公選首長への動き,地方公務員の自治体による個別採用への動きへという方向が見られる。だが公選制と独自採用というシステムの導入だけでは,ネポティズムが横行してしまう危険があるため,それを避けるための装置も必要である。諸国においていかなる装置が用意されているの、されていないかの情報を現在収集中である。 なお、研究成果の一部はすでに、稲継「自治体の人事行政とその変容-英国を事例として」などで公表しているが、平成15年度においては、各研究分担者の研究間の連携を図って報告書を作成する予定である。
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