研究課題
本年度は、フィールドにおける調査ならびに紛争と市民社会のかかわりをどのように解釈すべきか、という分析のための概念構築を中心に研究活動を実施した。フィールドにおける調査の実績は以下のとおりである。まずシェラーは、スリランカならびに東ティモールにおいて紛争後の民族和解の問題に焦点を当てて現地調査を実施した。水本は、カンボジアにおいて国際社会介入後10年たった、被介入社会がどのように市民社会(政治空間)を形成してきたのか、あるいは未成熟な部分があるとしたらその部分についてはなぜ未成熟なのかという課題を持って現地調査を実施した。東郷は韓国ソウルにおいて韓国の非政府組織が北朝鮮に対してどのような人道支援を行っているのか、またそうした人道支援が人間の安全保障という観点からどのように説明できるのかについての調査を実施した。秋山と星野は東ティモールにおいて調査を実施し、国連をはじめとする国際機関やNGOが東テイモールにおいていかに市民社会の育成という観点から支援を実施しているのかという点、ならびに現地の社会政治構造と新たに設立されつつある政治制度のギャップなどが治安制度改革などでどのように現れているかを調査した。また、2月にはフィンランドのタンペレ平和研究所の研究員を招聘し、紛争後の平和構築の場面においてどのように市民社会アクターが活動し、また市民社会という概念が支援策の政策概念として使用されているかが欧州とアジアでどのように異なるのかを検証する会議を開催した。
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