研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、1980年代以降の韓国における「公共圏」の生成とその展開様式、およびグローバリゼーションの下でのその変容を、日本や諸外国との対比で検討することにある。研究方法は、韓国を初め研究分担者がフィールドの調査、及び、日本と韓国双方での研究会の実施という形で進められた。平成14年度は、韓国、ドイツ、ベルリンなどで調査を実施し、調査を踏まえ、日韓の共同研究会を京都(7月6日)とソウル(平成15年2月27日)に実施した。京都の研究会では崔章集などが韓国の市民社会について報告し、ソウルの研究会では、調査結果に基づく報告と平子友長氏らを中心に「公共性」をめぐる理論面での議論が行われた。平成15年度には、7月26日、立命館大学で日韓共同の研究会を開催し、浅羽祐樹(ソウル大学校大学院)「憲法(憲政史)と公共性」、許尚守(聖公会大学校社会科学部)、「市民社会と民主主義そして過去清算済州四・三抗争真相究明運動を中心に」、松葉正文(立命館大学産業社会学部)、「市民社会と企業社会の間-現代日本経済の歴史的諸条件-」、丁海亀(聖公会大学校社会科学部)、「民主化と韓国政治-社会葛藤、公論場(公共圏)、政治の公的役割」などの報告がなされた。さらに11月8日には、高麗大学アシア問題研究所で日韓の共同研究者が参加するなかで文京沫が「公共性をめぐるいくつかの論点」と題して報告し、この間の研究、調査を前提に総括的議論を行うとともに日韓での成果出版に向けた打ち合わせが行われた。研究成果の一部は、すでに立命館国際地域研究などに発表されているが、今年度中、研究成果の単行本による日韓同時刊行を目指して作業をすすめている。
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