研究課題/領域番号 |
14330002
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
西沢 保 一橋大学, 経済研究所, 教授 (10164550)
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研究分担者 |
藤井 賢治 青山学院大学, 経済学部, 助教授 (20189989)
袴田 兆彦 中央大学, 商学部, 助教授 (20147002)
平井 俊顕 上智大学, 経済学部, 教授 (60119112)
小原 英隆 明治大学, 商学部, 助教授 (60272506)
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キーワード | ケンブリッジ学派 / マーシャル / ピグー / ケインズ / カーン / ロバートソン / マーシャル経済学 / ケインズ革命 |
研究概要 |
本研究は、マーシャル、ピグー、ケインズを中心とするケンブリッジ学派の多様性とその展開を思想、理論、政策という複合的観点から研究し、学派としての内容と本質を批判的に再検討することを目的にしている。我々は、従来の研究経過・準備状況をふまえ、マーシャル経済学によるケンブリッジ学派の創設過程、マーシャル経済学の継承と変容、「ケインズ革命」の形成過程における、ケンブリッジ学派の多様性とその展開の実態を理論的、歴史的・政策的コンテキストのなかで複合的に検証する作業を進めた。西沢は、マーシャルによる経済学の制度化の過程、マーシャル学派の形成過程を資料に即して検証し、またマーシャル、ピグーと人的資本、将来世代の問題について研究を進めた。平井は『貨幣論』から『一般理論』への展開を大著『ケインズの理論』として上梓した。袴田は資料に即してカーンの理論的貢献を解明し、ショーブの講義ノートの研究を手がけた。藤井はマーシャル経済学における標準化と外部経済論の意義を再評価し、マーシャル経済学が費用論争のなかでいかに「デフォルメ」されるかを検証した。小原はロバートソンと景気変動論の研究を進めた。我々は資料収集を精力的に進め、研究環境の整備をはかるとともに、平成14年12月に国際ワークショップ、平成15年2月に国際セミナーを行い研究上のネットワークの構築においても一定の成果を得た。資料収集は主に、ケンブリッジ大学のマーシャル図書館、大学文書室、キングズ・カレッジ、トリニティ・カレッジの文書室で行われた。また国際ワークショップには、イギリスからM.ドーントン、G.ピーデン、イタリアからC.マルクッゾ、T.ラファエリ、国際セミナーにはイギリスからD.コラード、オーストラリアからA.フィッツギボンズを招聘し、多くの参加者を得て、ケンブリッジ学派の多様性と展開について議論を深めた。
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