本年は、以下の作業と分析を行った。 1.南インド、チングルプット県ポンネリ郡に関して、1877年の村落土地台帳81村分、約5万の地片に関して、地番、面積、地税額、地目、灌漑状況、土地所有者番号、土地所有者名、特恵的土地の地目と関係者名などの細目を入力した。これにより、同郡の全村の台帳入力を終え、デバッグを進めて、利用可能な基本デジタル資料とした。 2.その資料を基に、土地所有、公共地利用、特恵的土地所有について、分析を進めた。 3.南インド、チングルプット県全郡に関して、1790年代プレース報告の中の村落別全ミーラーシダール名の入力作業をし、カースト構成、異なる空間レベルでの社会構成の差異、村落統合のあり方などについて、分析を進めた。 4.大英図書館インド省文書館において、チングルプット県に関する農業統計、ザミンダーリー関係報告書などの植民地資料を収集し、分析を進めた。 5.これらの資料を基に、南インドの長期環境変動、社会変動に関し、東京大学東洋文化研究所の研究会で口頭発表し、また、それらの成果を、数本の論文にまとめて発表した。
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