研究課題
基盤研究(B)
本研究は、第1に、南インドの一地域に関して、18世紀から今日に至る連続性のある資料群のデジタル化を進め、そのデータベースを元に、カースト、土地利用、土地所有、生産物分配、村落領主、土地保有者、免税地、それぞれにつき、各資料時点毎の構成と空間分布を地理情報システムに転換し、通年的な歴史変化の比較の基準を確立すること、第2に、こうした基礎作業の上に、各時点間の歴史的な変化を、どのように歴史地理情報として表現するかという理論的な課題に挑み、その成果を「歴史地理情報システム論」として発表すること、第3に、今後、歴史学をはじめとする人文系の広範な研究者が地理情報システムの導入に際して直面するであろう技術的な問題とその解決の方法を示すこと、第4に、歴史地理情報システムの導入が、世界の研究水準をリードする成果を生み出す可能性を持つことを、国際的な場で積極的に示していくことの4点を目標とした。これらの目標の中で、まず、ミーラーシー権報告書、ザミンダーリー制報告、村落土地台帳、センサスなどのデジタル化と統計処理を終えた。そして、それらを元にして、分析結果を時期別に幾つかの報告にまとめ、ジャワハルラルネルー大学、フランスインド学研究所、ミュンヘン大学、台湾国立大学、オクスフォード大学、ロンドン大学その他において、講演会等の形で発表した。さらに、成果として、『前近代南インドの社会構造と社会空間』を書き上げた。これについては、出版助成により東京大学出版会から出版すべく既に交渉中であり、また、その英文版をSage Publicationから出版するという依頼が来ており、来年度中に英文にする予定である。他方、歴史地理情報論に関する理論書、啓蒙書は、書き終えることが出来なかったが、これについても、他の歴史GIS研究者を集めて『アジア研究とGIS』という本の出版を、来年度中に東京大学出版会から行う予定である。
すべて 2006 2005
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The State In India : Past and Present
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Proceedings of First International Symposium on Are a Informatics : Potential of GIS/RS in Area Studies
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