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2004 年度 実績報告書

ネオリベラリズムと戦後ヨーロッパ資本主義(1945-73年)

研究課題

研究課題/領域番号 14330023
研究機関横浜国立大学

研究代表者

石山 幸彦  横浜国立大学, 経済学部, 教授 (90251735)

研究分担者 権上 康男  横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 教授 (30018006)
須藤 功  明治大学, 政治経済学部, 教授 (90179284)
矢後 和彦  東京都立大学, 経済学部, 教授 (30242134)
石坂 綾子  愛知淑徳大学, ビジネス学部, 助教授 (40329834)
米山 高生  一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (00175019)
キーワード新自由主義 / ネオリベラリズム / 戦後資本主義 / リップマン・シンポジウム / モンペルラン協会
研究概要

今年度開催した研究会議および研究組織の各メンバーによる個別の研究を通じて、1938年のリップマン・シンポジウムにおいて定義づけられた「ネオリベラリズム」が、戦後のモンペルラン協会の設立に結実し、戦後における欧米経済の再建・成長に様々な影響を与えたことを以下のように明らかにすることができた。
まず、1947年に設立されたモンペルラン協会には、ハイエクをはじめとするリップマン・シンポジウムにも参加したネオリベラリズムを信奉する経済学者、実務家たちが多数参加した。このモンペルラン協会の活動によって形成されたネオリベラリストのネットワークを通じて、戦中・戦後から1970年代までのグローバリゼーションが世界経済を席巻する以前から、欧米諸国の経済政策にネオリベラリズムが反映されていた。
具体的には、中央銀行改革について、西ドイツにおける連邦準備銀行の設立とその後の同行の為替政策、フランスにおけるフランス銀行の通貨・信用政策、さらに、アメリカにおける銀行制度改革に、市場原理を重視するネオリベラリズムの政策理念が盛り込まれていた。さらに、戦後進行したヨーロッパ経済統合においても、ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体による石炭・鉄鋼市場の形成過程やヨーロッパ経済共同体の結成過程で、ネオリベラリズムの影響が見られた。だが、これらの政策形成の現場においては、市場における独占のあり方、政府による市場介入の限度について、ネオリベラリストの見解にも多様性が見られた。それは個々のネオリベラリストがもつ理念の相違のみならず、彼らがおかれていた具体的な政治・経済状況の違いから生じていた点に注目すべきである。
以上の成果は、すでに何篇かの論文として発表されているが、来年度以降、研究分担者共同執筆による研究図書として刊行されることも計画されている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] ニューディール金融制度改革とマネタリズム2005

    • 著者名/発表者名
      須藤 功
    • 雑誌名

      政経論叢(明治大学) 73巻・5-6号

      ページ: 1-33

  • [雑誌論文] 冷戦期のアメリカ航空宇宙産業と下請生産2005

    • 著者名/発表者名
      西川 純子
    • 雑誌名

      商学論纂(中央大学) 46巻4号

      ページ: 1-37

  • [雑誌論文] 1950年代半ばにおけるフランス鉄鋼業の経営条件2004

    • 著者名/発表者名
      石山 幸彦
    • 雑誌名

      エコノミア 55巻・2号

      ページ: 59-78

  • [雑誌論文] 中央銀行を統治したのは誰か(1870-1980年)2004

    • 著者名/発表者名
      権上 康男
    • 雑誌名

      エコノミア 55巻・1号

      ページ: 17-31

  • [雑誌論文] 9・11以後のアメリカ軍需産業2004

    • 著者名/発表者名
      西川 純子
    • 雑誌名

      歴史地理教育 672号

      ページ: 58-67

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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