研究課題/領域番号 |
14330028
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
地主 敏樹 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60171089)
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研究分担者 |
藤原 賢哉 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (30229067)
宮尾 龍蔵 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40229802)
石垣 健一 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (40047486)
藤原 秀夫 同志社大学, 商学部, 教授 (10104613)
北岡 孝義 明治大学, 商学部, 教授 (60116572)
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キーワード | インフレーション・ターゲティング / 金融政策 / 国際比較 / 物価水準目標 / クレディビリティ / 中央銀行の独立性 / 情報公開 / デフレーション |
研究概要 |
(1)先進諸国でインフレーション・ターゲティング政策を実施した諸国について、その中央銀行を中心に金融機関や大学も訪問して、政策運営の実際に関する経験・長所・問題点などを、調べた。最終年度には、途上国の経験にも調査対象を広げて、タイ・韓国というアジアにおけるインフレーション・ターゲティング導入国も訪問した。 (2)新しい知見1:インフレーション・ターゲティング政策は、最初に実施したニュージーランドの厳格な制度例がよく知られているが、その後のトレンドとしては、より緩やかに、中期的な平均インフレーションを目標インフレ率付近に維持するものとなってきていることが、明らかになった。 (3)新しい知見2:大恐慌時におけるスウェーデンの物価水準目標政策は成功例として喧伝されているが、その導入後ほどなくポンド・ペグも実施されており、物価水準目標施策そのものの成否はさらなる検討が必要であることが判明した。 (4)新しい知見3:タイと韓国は、通貨・金融危機後にインフレーション・ターゲティングを導入している点で興味深いが、その実施期間はともに危機後の調整期でしかなく、インフレーションが問題化していない局面しか経験していない。さらに、ともに中央銀行の独立性に問題があるために、今後の成否は推測し難いと判断できる。 (5)研究成果の発表:スウェーデンとニュージーランドについては、その調査に基づいて、当該国のインフレーション・ターゲティング政策を検討した論文が完成している。欧州中央銀行(ECB)やイギリスおよびオーストラリアなどについても各国別の論文作成が進行中であり、理論や実証の論文も加えて、日本へのインフレーション・ターゲティングの導入の可否を問う本として出版する予定である。
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